たった16分の寝不足が仕事に悪影響?
睡眠不足が身体の不調を招くことはよく知られている。しかし、具体的にどのくらい不足すると私たちの生活に悪影響が及ぶのだろう?米・University of South FloridaのSoomi Lee氏らが同国の労働者を対象に実施した調査から、その答えの1つが示された。同氏らは、平日の睡眠がたった16分不足するだけでも判断力を鈍らせ、仕事のパフォーマンスを低下させる可能性があるとSleep Health(2019年3月22日オンライン版)に発表した。(関連記事「仕事のストレスと睡眠障害、組み合わさると危険度up」)
睡眠不足の影響は休業日には見られず
Lee氏らは、学齢期の子供を持つ情報技術系分野の労働者で健康に問題がない130人に対し、8日間連続で電話インタビューを実施。睡眠内容(就寝時間、起床時間、睡眠時間、睡眠の質、眠りに入るまでの時間)と、日中に集中力を欠いたり、雑念が生じたりした頻度を尋ね、両者の関連性を分析した。
その結果、早起き、睡眠不足である、睡眠の質が良くないと報告した参加者は、普段より19分早く起きる、または16分睡眠時間が短いだけで、日中の集中力低下や雑念がより生じやすくなることが示された。
なお、毎晩の睡眠時間・睡眠の質と翌日のそうした問題との一時的な相関関係は、翌日が就業日の場合は明らかだったが、休業日の場合ははっきりしなかった。
同氏らは今回の調査結果について、「労働者の睡眠は、日常的な集中力の不足などによって感じるストレスの影響を受けやすいと同時に、そのストレスの原因にもなることを示している」と考察。「職場において労働者の十分な睡眠を奨励すべきであることを実証している。理想的な睡眠を取れる人はミスや対人的な葛藤が少なく、仕事に集中できるため、優秀な労働者になりうる」と述べている。
(あなたの健康百科編集部)