経営者が勉強会でビジネス力を高めるコツ

6b37807c da70 45c3 81a2 e0992aa29088 camera_alt (写真=Rawpixel.com/Shutterstock.com)

学校に行けばいろいろなことを教えてもらえる学生時代とは違い、社会人になると受け身では学びが得られない。常に時代の流れを先読む必要のある経営者となれば、なおさら積極的に学びにいく姿勢が必要になるだろう。

そんな意欲的な経営者の学びの場となっているのが勉強会だ。自分に合った勉強会をうまく選んで参加することができれば、新たな知識を習得できるだけでなく、ビジネスを後押しする人脈が得られる可能性もおおいにある。経営者が勉強会をかしこく活用するためのコツを、社会人向けのマーケティング勉強会「KnowledgeCOMMONS(ナレッジコモンズ)」の主宰者に聞いてみた。(聞き手:Tokyo Edit/大住奈保子)

リターンの大きい勉強会を見分けるには

大住)世の中にはいろいろな社会人向け勉強会がありますが、その後の仕事にしっかりつながるものもあれば、「当日少し盛り上がっただけだったな」というものもあるかと思います。勉強会を定期的に運営されている側として、その違いはどこにあると思われますか。

ナレッジコモンズ 実がある勉強会とそうでない勉強会を分けるのは、「内容」と「スタイル」の2要素です。まず内容については、その勉強会で得られる情報が専門的でかどうかをチェックしましょう。医療や法律、制度に関する専門家の意見などは、これに該当します。こうした専門性の高い情報が得られる場合は、話を聞くだけという講演会のようなスタイルでも参加する価値はあると思います。

一方で、Webマーケティングや経営戦略などのテーマは、インターネットで検索するだけでもたくさんの情報を得ることができます。このようなテーマの場合は、ディスカッションなど双方向性のあるスタイルかどうかをチェックしてみてください。専門性が高くない内容でも、双方向性があれば参加する価値が高まります。

専門性が高くないテーマでかつ講演会のように講師が一方的に発信するスタイルなら、書籍や参考資料を読むのと同じ価値しか得られないことも多いので、お勧めしません。


大住)そうなんですね。内容だけでなく講義のスタイルもポイントになるというのは、意外でした。ひと口に「勉強会」といっても、参加費が高いものから無料のものまでありますよね。やはり参加費が高いもののほうが、価値が高いと考えてよいのでしょうか。

ナレッジコモンズ 一概にそうとは言い切れませんが、参加費が無料という場合は、その勉強会自体が広告的なプロジェクトであることが多いでしょう。当日の講義内容も、主催者側の宣伝にウエイトが置かれているかもしれません。

その勉強会の成り立ちを探るには、主催者のプロフィールも大きな判断材料になります。主催者としても、何らかのメリットがあるから勉強会を企画運営するわけですよね。そのメリットは何かを想像してみると、プロモーションが大半で内容の薄い勉強会や、怪しいビジネス勧誘を目的とする勉強会などに行き当たらなくなります。

勉強会後の懇親会は貴重な話が聴けるチャンス

大住)人脈を広げることを期待して勉強会に参加する経営者も多いかと思います。そういった視点で見たときに、当日の振る舞いや心がけで気をつけておくべきポイントはありますか。

ナレッジコモンズ 勉強会の後に懇親会が開かれるケースも多いと思いますが、この懇親会にはぜひ参加することをオススメします。懇親会では講師や主催者側も少しオフモードになり、「勉強会のときは言えなかったけど実は……」という話が聞けたりします(笑)。そこから仲良くなって仕事につながったという例もよく聞きます。

それと意外に大事なのが、名刺交換です。名前と会社名だけのシンプルな名刺でなく、「何の仕事をしているのか」を伝えやすくしているデザインだと更にいいですね。これまでで印象的だったのは、紙質にこだわって他とは手ざわりを変えた名刺や、側面に大きく名前を配置し、名刺入れに入れたときにも見えるようにデザインされた名刺です。参加した人は大量の名刺を持ち帰りますから、コストが多少かかっても、その中で埋もれないというのは重要だと思います。

「印象を強く残す」という意味では、多くの人と話しに行くよりも、1人の人と深く話したほうがいいですね。事前に参加者が分かるようなら、あらかじめ「今回の勉強会ではこの人と話したい」という狙いをつけておくのもいいかもしれません。

大住)懇親会ではいろいろな人と話そうとしてしまいがちですが、少人数でもいいから深く交流することのほうが大事なんですね。反対に「こういう振る舞いをするのはダメ」というNGな行為はありますか。

ナレッジコモンズ これは勉強会に限らずだと思いますが、自分の話をしまくることです(笑)。たまに“質問”と称して自説を朗々と説く方がいますが、ほかの参加者は基本的には講師の話を聴きたくて参加しているわけで、正直困りますよね。

人間、自分が何をしているか話したくなってしまうものですが、そこでグッと自分を抑えて、人の話をしっかり聴けると、次につながると思います。感覚としては、8割は相手の話を聴いて、あとの2割で自分の話をするというくらいがベストではないかと。
人の話を聴くほうが有益な情報が得られるというのもありますが、相手にいい気分になってもらったほうが、次につながる可能性も高まります。

経営者は受講者ではなく「講師」として参加するのがお得

大住)経営者が勉強会に参加したことで大きな成果を得たという例があれば、ぜひ教えてください。

ナレッジコモンズ 期待されている回答とは少し違うかもしれませんが、経営者の方はやはり講師として参加される場合が一番得をされていると思います。自身のビジネスを振り返って整理する機会としてご活用いただいていますし、露出によって仕事の引き合いが増える可能性も充分にあります。

業種に限らず、経営者の方というのは世の中に求められていることを事業として展開されているわけですから、基本的にはすべての方が講師になれるはずです。「教える」ということは自社のビジネスの価値を客観的に確認するのにも役立ちます。


大住 奈保子(おおすみ・なほこ)
コンテンツ制作事務所Tokyo Edit代表。出版社勤務ののち、編集者・ライターとして独立。
書籍やWeb記事の執筆・編集からメディアの企画・運営まで、幅広い事業を手がける。
https://tokyoedit55.com

【取材協力】
Knowledge COMMONS(ナレッジコモンズ)
https://knowledgecommons.net/
2011年から月1回ペースで開催している、社会人向けの平日夜のマーケティング勉強会。「経営」「マーケティング」「リテラシー」を軸に、1回完結型で企画運営を行う。良いナレッジを多くの人とシェアすることで、社会全体のリテラシーのベースアップに貢献する“下町のTED”的存在を目指している。

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