肥満・糖尿病の寿命をさらに短くする物質とは
肥満・糖尿病マウスを用いた実験で、アルツハイマー病の原因とされるβアミロイドの蓄積がこのマウスの寿命をさらに短くすることが分かった。国立長寿医療研究センター、大阪大学、理化学研究所の共同研究グループが結果の詳細をFASEB J(2019年12月16日オンライン版)に発表した。
3つの病態を合併すると寿命はどうなる?
これまで、肥満や糖尿病はアルツハイマー病と関連すること、アルツハイマー病があると糖尿病が悪化することが知られている。また肥満、糖尿病、アルツハイマー病はいずれも寿命を短くする要素である。
しかし、これら3つを合併した場合、寿命にどんな変化を与えるかはほとんど注目されてこなかった。
4タイプのマウスで寿命を比較
今回、共同研究グループは①健康なマウス②肥満・糖尿病マウス③アルツハイマー病マウス(βアミロイドが蓄積)④肥満・糖尿病・アルツハイマー病を合併したマウス―で寿命を比べた。
その結果、寿命は健康なマウスに比べアルツハイマー病マウスで短かった。また肥満・糖尿病マウスではさらに短くなり、肥満・糖尿病にアルツハイマー病を合併したマウスで最も短かった。
共同研究グループは「βアミロイドが蓄積すると肥満・糖尿病マウスの寿命がさらに短くなることを証明できた。今後は、このメカニズムを解明して健康寿命の延伸につなげたい」としている。
(あなたの健康百官編集部)