歩くべし日本人!1日の歩数が1,000歩も減少
日本人の1日当たりの歩行数を調査した結果が発表され、最新調査年となる2016年には、男女ともピーク時の2000年前後と比べ1,000歩以上も減少していることが明らかになった(Med Sci Sports Exerc 2019; 51: 1852-1859)。
1日1万歩以上歩く人の割合も減少
調査は国民健康・栄養調査(1995~2016年)の参加者28万人超のうち、歩数を調査した3,814人のデータを東京医科大学公衆衛生学教室のグループが分析したもの。
それによると、1日当たりの歩数(年齢の影響を調整した値)は男性では1995年が7,859歩、1996~2000年は8,000歩を超え、2000年に8,235歩に達したが、その後次第に減少し、2016年には7,198歩まで落ち込んでいる。
女性も1995年が6,859歩、1996~2003年は7,000歩を超え、1998年に7,474歩に達したが、その後次第に減少し、2016年には6,300歩まで落ち込んでいる。
1日1万歩以上歩く人の割合も、男性ではピーク時(2000年)の29.6%から2016年には18.6%に減少。女性ではピーク時(1998年)の22.3%から2016年には11.8%に減少した。
「+10(プラステン)」運動を見直そう
このような傾向は健康日本21の最終評価(2011年)でも示されており、危機感を抱いた厚生労働省は2013年に「健康づくりのための身体活動指針(アクティブガイド)2013」を作成し、国民に毎日の身体活動量を増やすことを励行した。今回の調査は、その施策が功を奏さなかったことを示しているが、あらためてこの指針を見直すことが有用かもしれない。
指針では「+10(プラステン)」を合言葉に、「家事の合間にながら体操」「テレビを見ながら筋トレやストレッチ」「歩幅を広くする、階段を使う」など、一日のさまざまなシーンで工夫を凝らすことにより、今より毎日10分多く体を動かすことができると呼びかけている。
(あなたの健康百科編集部)