パソコンやゲームで軽度の認知障害リスクが低下

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米・メイヨークリニックの研究者らは、認知症の前段階とされる軽度認知障害(MCI)を発症していない70歳以上の高齢者2,000例を対象とした研究で、コンピュータの使用やゲーム、手工芸、社会活動などの知的刺激を伴う活動がMCI発症リスクと関連するか否かを前向きに検討。その結果、中年期~高齢期にこれらの活動を行った人ではMCI発症リスクが低下したとNeurology(2019; 93: e548-e558)に発表した。活動の種類や活動時期にも関係が見られたという。

社会活動への参加や手工芸活動でも低下

対象は、MCIを発症していない70歳以上の高齢者2,000例で、研究開始時点での年齢の中央値は77.8歳、男女比はおよそ1:1。自己申告式の質問票を使って、中年期(50~65歳)と高齢期(66歳以降)における①コンピュータの使用②クロスワードパズルやトランプなどのゲーム③陶芸や裁縫などの手工芸活動④映画鑑賞や友人との外出などの社会活動⑤読書―の実施状況を調査した。さらに、15カ月ごとに思考力と記憶力の検査を行った。

中央値で5年間追跡調査を行ったところ、532例がMCIを発症した。解析の結果、コンピュータを使用しなかった人に比べ、中年期のみコンピュータ使用した人ではMCI発症リスクが48%低下し、高齢期のみ使用した人では30%、中年期と高齢期を通じて使用した人では37%低下した。

また、中年期と高齢期に社会活動をした人とパズルやゲームを行った人ではMCI発症リスクが20%低下し、高齢期に手工芸活動をした人では42%低下した。

複数の活動でより大幅にリスクが低下

高齢期に5種類の活動を全く行っていない人に対し、2種類、3種類、4種類、5種類の活動を行った人では、MCI発症リスクがそれぞれ28%、45%、56%、43%低下した。

研究責任者のYonas E. Geda氏によると「今回は観察研究(対象の状況を観察するだけの研究)であるため、知的刺激が得られる活動とMCI発症の因果関係の有無は評価できない。そのため、これらの活動によってMCI発症リスクが低下したのではなく、MCIを発症者した人は発症しなかった人ほど活動ができなかった可能性もある」と指摘。

その上で同氏は「現時点でMCIや認知症、アルツハイマー病に有効な治療薬はない。したがって、認知機能の低下を遅らせるのに役立ち、低費用で誰でも実践できる生活習慣に対する関心が高まっている」と述べ、さらなる研究が必要であるとしている。

(あなたの健康百科編集部)


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