ソーシャルメディアの使い過ぎ、メンタルへの影響は?
TwitterやFacebookといったソーシャルメディアは、個人的な出来事の投稿・交流だけでなく、今や最新の情報、流行を入手するためにも欠かせないツールである。英国・University College LondonのRussell M. Viner氏らは、英国の13〜16歳の若者1万2,866人を対象に、ソーシャルメディアの使用頻度とメンタルヘルスの関係を調査。若い女性では使用頻度が高いほどメンタルヘルスが悪化する可能性があると、医学誌Lancet Child & Adolescent Health(2019年8月13日オンライン版)に発表した。
男子より女子への影響が顕著
Viner氏らは、英国の13〜16歳の男女1万2,866人を対象としたOur Future study研究のデータを解析。計測時期を2013年(13〜14歳)、2014年(14〜15歳)、2015年(15〜16歳)の3つに分け、精神の健康度を測定する専用の指標を用いてソーシャルメディアの使用頻度がメンタルヘルス悪化に及ぼす影響を調べた。
ソーシャルメディアを1日に複数回使用する割合は、2013年に男子で34.4%、女子で51.4%だったが、2014年にはそれぞれ50.7%、67.5%、2015年には61.9%、75.4%と年を追うごとに増加していた。
ソーシャルメディアの使用頻度とメンタルヘルス悪化の関係は女子で顕著であり、専用の指標で高スコアだったのは、使用頻度が1週間に1回かそれ未満の女子では19.9%だった一方、1日に複数回使用する女子では27.5%に上昇していた。一方、こうしたはっきりとした傾向は男子では認められなかった。
また、2013〜14年にソーシャルメディアの使用を継続した女子を対象に、使用頻度が1週間に1回かそれ未満のグループと1日に複数回使用するグループを比べたところ、複数回使用するグループでは人生に対する満足感は0.86倍、幸福感は0.80倍に減少した一方、不安感は1.28倍に増加していた。
こうした結果について、Viner氏は「少女のメンタルヘルスに対するこうした影響がソーシャルメディアの使用によるものか間接的なものであるかを確かめるには、さらなる研究が必要」とコメントしている。
(あなたの健康百科編集部)