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日本人の76歳の健康度は世界の65歳の健康度に匹敵

高齢化が社会に及ぼす影響を調べるためには、寿命だけではなく、加齢に関連する疾患や認知機能低下のインパクトを合わせて検討する必要がある。1990年から2017年にかけて、世界195カ国の疾患による負担について調べた研究(the Global Burden of Diseases, Injuries, and Risk Factors Study:GBD2017)では、各国における「世界平均の65歳と同等の健康度の年齢」を調査。最も年齢が高い日本では76歳でも世界平均の65歳と変わらない健康度を保っていた一方、最も年齢が低いパプアニューギニアでは46歳にして世界平均の65歳と同じ健康度であり、国によって30年もの差があることが明らかになった。この結果は英医学誌「Lancet Public Health(2019年3月1日オンライン版)」で報告された。

世界平均の65歳と同等の健康度の年齢を国別に算出

研究では、25歳以上の成人において、健康上の負担となる293の疾患のうち、92疾患を加齢と関連する疾患とした。中でも虚血性心疾患(心筋梗塞、狭心症)、脳出血、慢性閉塞性肺疾患(COPD)は、死亡や健康度に与える影響が大きかった。

これらの疾患が健康度に及ぼす影響について、障害調整生命年(DALY)という指標を用いて算定し、さらに「世界平均の65歳のDALYに到達する年齢」を各国ごとに算出することで健康度を比較した。つまり、年齢が65歳よりも高ければその国の健康度は高く、65歳よりも低ければその国の健康度は低いということになる。結果は下記の通りであった。

また、1990年から2017年にかけて全体の健康度は上昇していたが、上昇度は低所得の国と比べて高所得の国で大きかった。研究グルーブは「われわれの検討により、加齢と関連する疾患による健康度の悪化を抑制できた国を明らかにすることができた。その原因としては身体活動性の維持、喫煙率の低下、介護アクセスの向上など、さまざまな要素が考えられるが、これらを明らかにすることで高齢化が社会に及ぼす負担の減少に寄与する可能性がある」と結論した。

(あなたの健康百科編集部)

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