朝の運動+座りっぱなしを止めることで血圧が低下
肥満を伴った高齢者では、毎朝30分のウオーキングで血圧が下がることが、西オーストラリア大学の研究で分かった。女性の場合、長時間の座りっぱなしをやめると、さらに降圧効果が強まるという。今後は、コーヒーブレークならぬウオーキングブレークがはやるかもしれない。詳細はHypertension (2019年 2月 20日オンライン版)に掲載された。
参加者は3つの異なる行動を実施
運動した後に長時間座っていても、頻繁に立ち上がって歩くこと(ウオーキングブレーク)で血圧に良好な影響を及ぼすことができるのか。これを検討する目的で、肥満の男女67人(平均年齢67歳、平均BMI 31.2、女性35人)に参加してもらった。
参加者には、①8時間連続して座る②1時間座った後に運動( 30分間トレッドミルで中程度の歩行)を行い、その後6.5時間座る③1時間座った後に運動し、その後は30分ごとに3分間の軽度歩行をはさみつつ6.5時間座る―という3つの行動を取ってもらった。別の行動に移る前に、最低6日の間隔を空けることとした。
測定する項目は8時間ごとの血圧とアドレナリン濃度で、食事は標準食を食べてもらった。
血圧低下作用に男女差
検討の結果、朝運動したときの血圧は、運動しなかったときに比べて男女ともに低下することが分かった。低下は、収縮期血圧(下の血圧)でより強かった。
特に収縮期血圧の低下効果が顕著だったのは、ウオーキングブレークを取った際の女性である。一方、男性ではその効果は見られなかった。
血圧低下作用に男女差がある原因は明らかではないが、研究グループは運動に対するアドレナリン反応が異なること、参加した女性が心臓病のリスクが上昇する閉経後であることなど、さまざまな因子が組み合わさった結果と見ている。
研究グループは、長時間座り続けるのを避けることで、運動による血圧低下作用が高まると結論付けた。
(あなたの健康百科編集部)