更年期症状にはマインドフルネスが効く

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嫌な思いをしたときやネガティブな感情に襲われたとき、かつて体験した同じような出来事を思い出したり将来への不安が湧いたりして、マイナス思考の連鎖に陥ってしまった経験がある人は少なくないだろう。こうした悪循環に飲み込まれないために、過去の反省や未来の心配事といったマイナス感情から距離を置き、現在のありのままの状態を受け入れることで心の平穏を得る「マインドフルネス」という方法が注目されている。このたび、中年女性が悩まされることの多い更年期症状とマインドフルネスおよびストレスとの関連についての研究結果が、国際閉経学会(IMS)の機関紙Climacteric(2019年1月19日オンライン版)に報告された。

マインドフルネスの高い女性では更年期症状が軽減される?

仏教の瞑想や深呼吸などのアプローチを取り入れたマインドフルネスは、物事に対するとらえ方(認知)を修正することで気分や行動を変化させる「認知行動療法」の1つとして、うつ病などの気分障害の再発予防効果やストレス・慢性的な痛みを減らす効果が報告されている。

今回、米・Mayo ClinicのRicha Sood氏らは、2015~16年に同クリニックで登録した40~65歳の女性1,744人を対象に、アンケートによる横断研究※を行った。

※ある特定の集団に対して、ある一時点での病気・障害の有無とその原因と考えられる事柄の有無を同時に調査し、関連性を検討する研究方法。過去のデータをさかのぼったり、将来にわたっての検討はしない

更年期症状を評価するMRS (Menopause Rating Scale)、自覚しているストレスを評価するPSS-4(Perceived Stress Scale-4)、マインドフルネスを評価するMAAS(Mindfulness Attention Awareness Scale)を含む質問票に回答してもらい、マインドフルネスやストレスが更年期症状と関連するかを検討した。

その結果、①MAASの得点が高くてPSS-4の得点が低い女性では、MRSの得点が低く、②PSS-4の得点が高い女性では、MAASの得点が高くなるほどMRSの得点がより大きく低下していた。つまり、マインドフルネスが高くてストレスが少ない女性は更年期症状が軽く、ストレスを強く感じている女性ほど更年期症状に対するマインドフルネスの効果が高いこと示された。

マインドフルネスはトレーニングで習得できる

一方、MAASの得点の高さとホットフラッシュや寝汗の症状が減ることは関連していなかった。これについて、Sood氏は「ホットフラッシュや寝汗に伴って生じるネガティブな感情の強さは、症状そのものよりむしろ本人の性格特性が強く影響しており、それが反映されたのかもしれない」と考察している。

これらの結果から、同氏は「今回、より高いマインドフルネスは短気、抑うつ、不安といった更年期症状の低さと関連するとの結果が示された。今後、さらに検証する必要はあるものの、女性の更年期症状への治療選択肢としてマインドフルネスを考慮してもよいだろう」とまとめ、「幸い、マインドフルネスはトレーニングによって習得できる。基本的なマインドフルネス習得の第一歩は、"私たちの心はコントロールできる"と知ること。そのゴールは心を空っぽにすることではなく、自らを傷つけないように心をコントロールするための客観的視点を手に入れること。次のステップは、心を休めること。深呼吸をして、ネガティブにならないように注意ながら自分のスペース、考え方や感情を観察する。その結果として生じる心の平穏は、ストレスを和らげる手助けになるだろう」と述べている。

(あなたの健康百科編集部)


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