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ゼラニウムの香りが更年期症状を軽減か

アロマテラピーは、植物から抽出した香り成分である精油を使って、私たちの心身に起こるトラブルを回復させてくれる自然療法である。日本アロマ環境協会(東京都)は、産婦人科医の対馬ルリ子さんと共同で、ローズに似た華やかな香り成分が含まれている液体「ゼラニウム精油」が、心身にどのような影響をもたらすかについて検証。更年期女性に特有のさまざまな症状を緩和しうることを明らかにした。

身体症状、精神面ともに改善

研究グループは、40~52歳の月経が不規則な女性19人を、ゼラニウム精油を垂らしたシールを襟元に付けて過ごす群と、精油の代わりに水を垂らしたシールを付ける対照群に分けて、1カ月後の更年期症状の変化を調べた。症状の改善度をはじめ、疲れやすさや倦怠感、のぼせ、性欲の低下、肩こりなどの自覚症状、不安感や気分、髪や肌の状態などを評価ツールや医師による問診で評価した。また、女性ホルモンの血中濃度を測定した。

その結果、ゼラニウム群は対照群に比べ、症状の改善度が明らかに向上した。また、ゼラニウム群では自覚症状の数が減った。精神面では、ゼラニウム群の不安感、活気や活力、友好的な気分の各項目に改善が見られた。さらに、本人が実感する肌や髪の潤い、抜け毛の少なさについても改善が示された。一方、女性ホルモンの血中濃度への影響はなかった。

ゼラニウム精油を身に付ける生活を1カ月間続けたところ、更年期特有の諸症状はかなり改善したが、女性ホルモンに大きな変化はなかった。この点について、研究グループは「精油を使ったアロマテラピーによる嗅覚刺激が、女性ホルモンに直接影響を及ぼすことなく、更年期女性の生活の質(QOL)を向上させうることが示された」とコメント。さらに「アロマテラピーは安全性の高いセルフケア法であり、多くの女性にとって悩ましい更年期症状を緩和する方法の1つとして、その活用が期待される」との考えを示している。

(あなたの健康百科編集部)

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