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握力と片足バランスで糖尿病リスクが判定できる!

簡単な体力テストの一種として知られる握力と閉眼片足立ちバランスの成績が2型糖尿病の発症リスクと関係していることが分かった。体重当たりの握力が低いほど、また片足立ち時間が短いと糖尿病になりやすかった。詳細はJournal of Epidemiology(2018年7月28日オンライン版)に掲載された。

垂直跳びと立位前屈は単独での関連は認められず

今回の研究は、東北大学大学院医工学研究科教授の富永良一氏、新潟大学大学院医歯学総合研究科教授の曽根博仁氏などの研究グループによって行われた。

運動は糖尿病の予防に有効だといわれており、運動を長時間行う能力である全身持久力が高いほど糖尿病になりにくいことが明らかになっている。しかし、全身持久力の計測には時間がかかるなど容易ではない。そこで研究グループは、簡単な体力テストの成績と2型糖尿病との関係を研究した。

新潟県労働衛生医学協会の協力を得て、糖尿病でない検診受診者2万1,802人(20~92歳)の体力テストのデータと、その後の糖尿病発症を最大6年間追跡した。体力テストの項目は、握力(筋力の評価)、垂直跳び(パワーの評価)、閉眼片足立ちバランス(バランス能力の評価)、立位体前屈(柔軟性の評価)、全身反応時間(立った状態で合図からどれだけ早くジャンプできるかをテスト、反射神経を評価)、仰臥位足上げ(筋持久力の評価)で、それぞれ成績順で4グループに分け、糖尿病発症率との関係を調べた。

その結果、握力と閉眼片足立ちバランスが糖尿病の発症リスクと関係していた。握力が体重の約80%(体重60kgならば握力48kg)のグループに比べ、約50%(体重60kgならば握力30kg)のグループは糖尿病発症リスクが56%高かった。閉眼片足立ちバランスも成績が悪いと発症リスクが高くなっていた。

今回の成果は、握力や閉眼片足立ちバランスという簡単な体力テストで、糖尿病のリスクの高い人を見つけられるという点で注目される。

(あなたの健康百科編集部)

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