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睡眠の質が心房細動の発症に関係

心臓が不規則かつ小刻みに収縮する心房細動は、動悸、息切れ、疲労感といった症状を呈し、脳卒中や心臓発作、認知症、腎臓病を引きおこし、さらには死に至ることもある疾患である。加齢や肥満、飲酒、喫煙などが主な原因と考えられているが、このほどカリフォルニア大学の研究グループが、睡眠不足も心房細動の危険因子である可能性があると発表した(6月26日オンライン版)。

不眠症患者で心房細動の発症リスクが上昇

研究グループは、次のような4つの研究を実施し、心房細動と睡眠の関係について検証を行った。最初に、Health eHeart Studyというインターネット上で行われている心臓病の研究データを用い、夜間の覚醒と心房細動の関係を検証した。その結果、4,553人の参加者のうち、心房細動を発症した526人では、夜間に覚醒する頻度が心房細動を発症していない人の1.47倍だった。

次に、米国立衛生研究所(NIH)が運営する心血管健康調査に登録された5,703人を11.6年にわたり調べたところ、夜間に覚醒する頻度は、心房細動を発症した人では発症していない人の1.33倍だった。さらに、1,127人を対象に睡眠ポリグラフ検査を行ったところ、レム睡眠の減少に伴い、心房細動のリスクが1.18倍に上昇していた。

最後に、カリフォルニア州の住民1,433万651人を3.9年間にわたって調べたところ、不眠症の診断を受けた人では、新規に心房細動を発症するリスクが1.36倍に上昇していた。

以上の結果を受けて研究グループは、睡眠の質は心房細動の発症に関わる重要な要素である可能性があると結論。研究を主導したカリフォルニア大学サンフランシスコ校医学部のGregory M. Marcus氏は、「日常的な運動や規則正しい睡眠習慣の他、夜間のディスプレーの閲覧やカフェイン摂取を避けるなどして睡眠状態を改善すると、心房細動を減らすことができるだろう」とコメントしている。

(あなたの健康百科編集部)

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