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チョコレートで冠動脈疾患リスク低下

camera_alt Shutterstock_Brenda Carson

週1回以上のチョコレート摂取と冠動脈疾患(CAD)リスクの低下に関連が認められたとするメタ解析の結果が明らかになった。米・Baylor College of MedicineのChayakrit Krittanawong氏らがEur J Prev Cardiol(2020年7月22日オンライン版)に報告した。

週1回未満の摂取と比べて8%リスク低下

これまで、複数の臨床試験でチョコレートの摂取は血圧や血管内皮機能に良い影響を与えることが示されている。また、心血管疾患リスクを低下させる可能性を示したメタ解析の報告もある。しかし、チョコレートの摂取がCADリスクに与える影響に関しては不明だった。

そこで、Krittanawong氏らはOvid MEDLINEなどのデータベースを用いて1966~2020年1月に発表された文献を検索し、組み入れ基準を満たしたチョコレート摂取とCADに関する前向き研究6件計33万6,289例のメタ解析を実施した。

中央値で8.78年の追跡期間中にCADが1万4,043例、心筋梗塞が4,667例、脳血管障害が2,735例、心不全が332例発生していた。

検討の結果、チョコレートを食べる頻度が週に1回未満の人と比べて週に1回以上または月に3.5回以上の人では冠動脈疾患を発症するリスクが8%低かった〔統合相対リスク(RR)0.92、95%CI 0.86~0.99、P<0.001、I2=48.6%〕。

至適摂取量は不明

この結果について、Krittanawong氏は「週1回以上のチョコレート摂取が心血管を健康な状態に保つ一助となることが示された」と指摘。また、「チョコレートにはフラボノイドやメチルキサンチン、ポリフェノール、ステアリン酸といった抗炎症作用やHDLコレステロールを増やす作用を有する物質が含まれている」と述べ、これらがCADリスクの低下に寄与する可能性を示唆している。

なお、今回はどのようなタイプのチョコレートが有益なのか、最適な摂取量がどの程度なのかについては検討されなかったため、同氏はこれらの点について「今後さらなる研究が必要」としている。また、チョコレートの至適摂取量は不明ではあるが、食べ過ぎには注意すべきだと強調し、「特に糖尿病や肥満の人が市販されているチョコレート製品を摂取する際は、カロリーや糖分、乳脂肪分の含有量に留意する必要がある」と述べている。

(岬りり子)

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