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転職活動者以外もターゲットにする中途採用活動とは

(写真=Syda Productions/Shutterstock)

業績を向上させるために優秀な人材を獲得することが大切なのは言うまでもないが、その人材が存分に活躍してくれなかったのでは意味がない。終身雇用制度が崩壊し、転職が当たり前になった昨今だが、企業と人材双方の希望が合致するような理想的なケースは、そう多くはないのが実情のようだ。そこでここでは、効果的な中途採用活動について考えてみることにしたい。

人材の3分野

企業の人材は、転職希望者、情報収集者、非転職希望者の3分野に大別されるという。転職サイトに登録している人は転職希望者の代表例だろうが、仕事の内容や賃金など、現在の会社に不満を抱いているような人も多い。こうした人は、顕在化していない転職希望者と言えそうだ。

積極的に転職活動をしているわけではないが、常に人材募集広告に目を通したり、週刊誌の「賃金ランキング」や「福利厚生のよい会社」などの企業比較記事に強い興味を抱いたりなど、情報の収集に余念のない人もいる。これらの人も、心の中では今の会社に不満を持ちながらも、安定を考えて現状維持に甘んじているようなケースが多い。

一方、非転職希望者の中には、忙しくて転職活動どころではなかったり、現在の仕事に何らの不満も感じていなかったりと、その企業の屋台骨を支える役割を果たしているような人材も多く見受けられる。本当に中途採用したいのはこのような人材なのだろうが、残念ながらそうした人材に接する機会は少ない。


いかに「非転職希望者」を取り込むか、その方法

同期トップの昇進をしているような人材は、取引関係や業界内の交流などから情報が入るケースも多い。業界が異なる場合には、なかなかこうした情報を得るのは難しいが、やはりその業界での出世頭には魅力的な人材が揃っている。

こうした「非転職希望者」をターゲットにするのによく用いられるのが「ヘッドハンティング」と呼ばれる手法だ。このような優秀な人材は現職でも厚遇され、現状に満足していることが多いため、転職サイトや人材紹介とは無縁という場合が多い。
無論のこと、「優秀である」ことを条件にした募集活動において、多くの人が目にするような手段に頼ることは、自社にそのような人材が不足していることを公表するようなものでいただけないし、社内の反発を招く恐れもある。ヘッドハンティングの際には、静かに、かつ着実にターゲットに向けたアプローチを進める必要があるのだ。

ヘッドハンティングを成功させるには、まず自社の求める人物像を明確に定める必要がある。専門の業者に依頼するにせよ、どのような人格、知識、技量などを求めているのかを明らかにしておかないと、いたずらに無駄な労力がかさむことになる。

ここで「専門の業者に依頼する」というのは、実は大切な事項でもある。こうした業者は、ターゲットとなる人材を発見するための人脈などのネットを持っているだけでなく、秘密裏にターゲットに近づき、その本音を巧みに引き出す術に長けている。また、ヘッドハンティングが上手くいかなかった場合にも、会社の評判を落とすことなく別のターゲットに向けた採用活動に移ってくれる。

広がりを見せつつあるヘッドハンティング

かつてはエグゼクティブ層を獲得するための手段に限られていた感のあるヘッドハンティングだが、中間管理職や技術者などの中途採用事例にも徐々に広がりつつある。これは「求職者を待つ」というような従来の方法では「非転職希望者」にたどり着くことができず、優れた人材を確保できなくなっていることの証なのかもしれない。積極的に「情報収集者」や「非転職希望者」を取り込む施策を打つことで、人材獲得がよりスムーズになるだろう。

南青山リーダーズ株式会社 編集部