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人材は人財 新卒採用と中途採用の考え方の違い

「企業は人なり」「事業は人なり」とはあまりにも有名な言葉である。どのような経営においても、適切な人を獲得して会社は発展していくものである。いかに歴史ある企業でも、伝統や企業のしきたりを正しい人材に受け継ぐことが大切であり、総じて「人」で企業が決まるということを意味している。

「人材は人財」という名言があるように、人を中心に確立された企業理念は必須である。ことに、中小企業においては中途採用が中心であったが、新卒に目を向ける企業も増えてきた。ここでは、企業を支える「人」に焦点を当て、新卒採用と中途採用での考え方の違いに着目してみよう。

新卒採用と中途採用の考え方の違い

採用戦線は年々激化する傾向にある。中小企業の経営者は、新卒採用も中途採用も思うように結果が得られないと苦戦を強いられているケースが多いのではないだろうか。採用への概念を整理するためにも、スピード、タイミング、コストの面で双方どのような点が異なるのか挙げてみよう。

1. スピードの観点から
新卒採用の内定までのスピードは3ヵ月~4ヵ月程度と時間的に余裕がある。一方、中途採用の場合は早い企業で2週間、遅くても1ヵ月程度で内定の連絡を受ける場合が多い。企業の規模や職種の種類にもよるが、大手企業と比べても中小企業の方がアクション、レスポンス共に早いと言えるだろう。

企業の経営者や人事担当者は中途採用の際、新卒に比べて時間がない分、採用で確認したい点(スキル、経験、やる気、入社時期など)を見落とさないようチェックすることが大事だ。

2. タイミングの観点から
新卒採用の場合は、大手企業であると、会社説明会が春先から、また採用活動は6月頃であるケースが多い。選考までのプロセスが長く、応募受付を皮切りに人材を集め、説明会を開催する。書類選考、一次面接、二次面接、内々定、内定、そして入社という流れになる。

一方、中小企業を中心に企業が中途採用を行うタイミングは、すぐに社内で力になれる人材、すなわち「即戦力」を必要としている時である。「社内で急な退職を受け欠員が発生した」「新規事業の立ち上げや事業拡大で人材の補てんが必要になった」「新人教育への土台がないため、人材の確保を中途採用に頼っている」などが挙げられる。

3. コストの観点から
業種や企業規模によって採用にかかる費用は大きく異なるが、あらかじめ採用コストを算出し把握しておくことは重要である。新卒採用でのコストの平均は、一人当たり約50万円前後が相場と言われている。

新卒採用の場合は学生上がりのため社会経験がない。企業というものを理解していない場合が多く「職業観の不足」からミスマッチが発生し、早期離職などの原因にもなっている。一方、企業側も「学生を知らない」ことが指摘されており、双方の間にジレンマが発生していることが問題視されている。

中途採用の場合は求人メディアへの広告費や人材紹介会社への費用などの外部費用がかかるため、新卒採用よりもコストがかかることもある。特に、優秀人材獲得のために高額なコストをかける場合もあるだろう。また、企業によっては応募者の交通費や引っ越しの費用も考慮しなければならないこともあるだろう。

中途採用では、既に社会経験のある人が対象のため、学生に不足している主体性、実行力、即戦力、やる気など、企業とのミスマッチも少ない場合が多いと言える。採用コストを節減するためにも、新卒採用でのミスマッチを防ぐ努力を行い、あわせて求人サイトや自社Webサイトなどの採用活動業務をシステム化していくことが重要だ。

スピード、コスト、タイミングどれを優先するか

新卒採用と中途採用ではスピード、タイミング、コストの面で考え方が違い、採用基準も求める人材の能力や経験など異なってくる。スピード、コスト、タイミングどれを優先するかも重要だ。企業にとって人材は人財と言われるように、人を雇うにはお金がかかり、育てるにはさらに費用がかさむことも十分認識しておこう。

南青山リーダーズ株式会社 編集部

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