経営者向け「節税保険」にブームに待った!堅実な節税ならばやっぱり不動産?

18acc94d 954d 4029 9aff 4d6725463b0c

法人税の節税効果をうたい、中小企業の経営者を中心に加入が急増した法人向け生命保険について、国税庁が税務上の取り扱いを見直す方向で検討している。

大手生保各社は国税庁の動きを勘案し、契約者の混乱を避けるべく当面の販売を停止する方針を打ち出しており、今後の注意が必要だ。

国税庁は、法人向け保険の全額損金算入を問題視

法人向け生命保険は、全額損金算入保険とも呼ばれる。法人で加入する定期保険は会社の経費として落とせるため、その分の利益を圧縮し、節税効果が見込める。また、契約して一定年数経過後に解約返戻金が高くなるよう設定されている商品が多く、計画的に解約返戻金のピーク時に解約すれば、法人税の繰り延べができるとして人気を集めた。

今回、国税庁のメスが入ったのは「一定期間災害保障重視型定期保険」という商品だ。災害による死亡・高度障害を重点的に保障するというもので、経営者に万が一の事態が起きた場合、保険金を事業資金に充てることができる。

この商品では、契約者を法人とし、被保険者を役員および従業員等、保険金の受け取り先を法人に指定して加入する。保険料は原則、全額損金算入できることになっており、収益が出ている法人なら経費として保険料を捻出することで、利益を圧縮する効果がある。とくに、「一定期間災害保障重視型定期保険」は解約時の返戻金が高めに設定されていることから、ピーク時に計画的に解約すれば、税効果を含めて100パーセント以上の利益が見込めるのだ。

こうした効果が広まり、中小企業経営者のニーズをつかんでいまや市場規模は数千億円ともいわれるブームとなった。

一方、国税庁は「途中解約で保険金の大部分が戻ってくることが前提ならば、経費ではなく資産として計上すべき」という方針だ。少なくとも、現状の全額損金算入は見直すべきだとしている。正式な通達はまだだが、大手生保各社は国税庁の意向を受けて、解約時の返戻率が50%を超える商品に関して販売を停止している。

過去に全額損金算入が認められていた逓増定期保険やがん保険で損金算入割合が2分の1まで引き下げられた経緯を勘案すれば、今回も同様の措置がとられる可能性がある。

節税スキームとしては不動産がやはり確実!?

こうなると、次の節税の妙手を考えなくてはならないのも経営者のつとめだ。従来から節税スキームとして広く用いられる不動産の法人所有が再び脚光を集めるかもしれない。

不動産を所有する場合、個人名義と法人名義であれば、法人名義が有利である可能性が高いことは広く知られている。不動産から収益を得た場合、個人と法人でもっとも差がつくのは「税率」だ。個人は所得税、法人は法人税が課されるが、所得税は最高45%であるのに対して法人税は、中小法人の年800万円以下の部分が19%、それ以上の部分や普通法人は23.2%となっている(平成30年4月以降)。この税率の違いが節税効果を生む。特に不動産収入なしでも既に所得税率の高い方は、法人所有にしたほうが有利だ。また、節税の第一歩である減価償却費についても、計上をコントロールできる分、個人より法人のほうが効果が大きい。

ただ、収益不動産を法人で所有するか個人で所有するかは、前述の通り個人と法人では賃料収入にかかる税金の種類が異なり、さらに売却の際にかかる税金、相続での取り扱いなども異なる。そのため、物件の取得目的や収入、家族構成、財産の状況などを見極めて、慎重に判断する必要があるだろう。

また、経営者や家族が所有する不動産を会社に貸し付けることでも節税効果が見込める。不動産賃貸料を個人に支払うことで、会社側は経費に計上できる。一方で、個人は不動産所得を得るが、固定資産税、保険金、購入にあたっての借入金、減価償却費、修繕費といった経費で相殺できる可能性があり、節税につながる。

不動産は経費に算入できる項目が多く、節税テクニックとしては効果が見込める手段だ。その有効性を一度見直してはいかがだろうか。(提供:百計オンライン)



関連記事

アクセスランキング

  • DAILY
  • WEEKLY
  • MONTHLY

公式Facebookページ

公式Twitterアカウント