ホーム > 経営 > 経営戦略・IPO・M&A > いま再注目されている「PDCA」の新しい考え方とは

いま再注目されている「PDCA」の新しい考え方とは

(写真=one photo/Shutterstock)

企業の経営管理や業務改善には、さまざまな手法が用いられる。多くの企業では経営資源を適切に分配し効果的に活用するための計画とそれを実行する基幹システムを指すERP(Enterprise Resource Planning)の構築、内部統制のフレームワークに基づく業務プロセスの整理とリスク管理策の導入などを行っている。

そうしたなか、PDCAの活用により業務の有効性・効率性の改善に取り組む企業も数多くみられる。

PDCAとは?

PDCAとは、一般的にPlan(計画)、Do(実行)、Check(検証)、Action(改善)の頭文字をとったものである。

一定の重要性と規模を備えたことに取り組む際には、まずは計画を立案する。アジャイル型のシステム開発のように包括的かつ詳細な計画を練らずに試行錯誤を繰り返しながらゴールを目指すこともあるが、それでも予算や納期など大まかな方針や遵守事項は決まっているものだ。

計画の立案後はそれを実行するのみだが、大概のことは思惑通りに進まない。大半の計画は、楽観的すぎたり検討要素が不足していたりする詰めの甘いものである。そこで実態を検証し、計画とのギャップを把握する必要が生じる。予算などの数値目標であれば、計画値と実績値の差が許容範囲に収まっているか否かを検証する。

検証結果が許容範囲を超える場合は、改善策の立案・実行が求められる。売上予算の未達であれば、担当者の増員、リベート率のアップ、広告出稿量の増加、ターゲット顧客の変更などの実施により予算達成を目指す。

さらに一定期間後の検証により改善策が十分な効果を発揮していないことが判明すれば、新たな施策の立案・実行を行う。こうした計画、実行、検証、改善のサイクルを繰り返し、予算、新規事業の立上げ、業務プロセスの改善などの目的達成に資するための手法がPDCAだ。

なぜ今PDCAが再注目されているのか

PDCAはこれまで多くの組織が取り組んできた手法であり目新しさはない。一方でPDCAを効果的に使いこなせていない企業や職場も多くみられる。

物事の計画自体はさほど難しくはないケースもある。大半のことは過去の経験をベースに計画を立案できるほか、多くの場合、目標を立てること自体が前向きで楽しい作業と感じられ無理なく取り組めるからだ。

しかし立派な計画を立案しても、うまく実行できないことが少なくない。とくに新規プロジェクトの立上げや業務システムの刷新などゼロベースから取り組む計画の場合は、負荷が大きく挫折しやすい。

検証段階に入ると論理的、客観的、具体的な検証基準の設定、包括的かつ詳細な検証、不備事項の原因分析などに関し高度な能力が必要になるほか、関係者に検証結果を理解・納得させる説明力や折衝力が求められる。このため主に質の両で人材不足に陥りやすい。

改善策の立案・実行を担う人物には、もっとも高度な能力が求められる。当初計画と不備事項の内容を深く理解し具体的な改善策を立案できる者は限られている。経営レベルの視点から計画の本質を捉えるとともに、実務レベルで改善策を推進できる有能なリーダーが不可欠だ。

改善策だけではなく伸長案も

できなかったことや不足していたことを補う「改善案」を挙げてPDCAを回す人は多いだろう。その一方、達成できた要因を分析し、再現性を持たせる「伸長案」も同時に考えるべき、と説くPDCAメソッドも存在する。伸ばせるものは更に伸ばして、長所で短所を補おうという考え方だ。

IT化の進展により多くの企業では業務の有効性・効率性が大幅に改善された。一方で業務運営体制とプロセスの巨大化、複雑化、精緻化も進み企業が抱える潜在的なリスクは、むしろ大きくなっている。そうした中でPDCAに対する取り組み方を改めて見直し、問題点を自律的に発見して改善する体制の定着を目指す動きが多くの企業で広まり始めている。

南青山リーダーズ株式会社 編集部