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事業戦略のフレームワーク 「プロダクト・ポートフォリオ・マネジメント」とは

(写真=Billion Photos/Shutterstock)

中小企業の経営者が最も思いを巡らすことは、企業の中に存在する資源をより効果的に配分し、活かしていくことではないだろうか。自身の持つマネジメントの概念を見直したとき、自分の行っている手法が合理的ではないことに気づく経営者は多いという。上手にビジネスを管理・運営していくためには、利益向上につながる「フレームワーク」を使いこなすことが大切だ。
その一つがプロダクト・ポートフォリオ・マネジメントである。ここでは、有効的な活用法やメリットを中心に紹介していこう。かつて利用をして効果が思うように現れなかった企業も、今一度、現在の状況を整頓する上で活用に踏み切ってみてはいかがだろうか。

プロダクト・ポートフォリオ・マネジメント(PPM)とは

● 経営資源の効果的な配分が目的
プロダクト・ポートフォリオ・マネジメントは企業戦略や売上拡大など、全社レベルで意思決定が必要な時に用いられるフレームワークの一つだ。企業にはそれぞれ特徴があり、事業内容も異なる。経営の要「ヒト、モノ、カネ」において効果的な配分を検討し、優先順位をつけることは、企業が将来に向けて継続的に事業を運営していくためには必須である。

● 2つの軸「市場成長性」と「マーケットシェア」
プロダクト・ポートフォリオ・マネジメントを有効的に使いこなすために、まず、フレームの軸となる「市場成長性」と「マーケットシェア」について理解をしておこう。

● 市場成長性=縦軸
市場成長性が高い場合は新規参入しやすい傾向にある。市場での競争率が増しているため積極的な投資姿勢が必要になるが、一定のシェアを得ていれば売上は伸びるのが特徴である。一方、市場成長性が低い場合、新規参入する企業は少なく、競争率も低い。その代わり、売上の伸びは期待しにくい。

● マーケットシェア=横軸
マーケットシェアで最も影響されることは経験曲線による効率とスケールの大きさである。大きなマーケットシェアを得ている企業は同じ商品やサービスを繰り返し提供しているため、作業的・生産的な面で効率がよく、欠損やエラーが少なくなっている。たとえ、他社と同価格の商品やサービスを提供するにも、コストを抑えることができるのだ。マーケットシェアが大きいほど、利益率が高くなるという傾向がある。

PPMの使い方

プロダクト・ポートフォリオ・マネジメントを利用し、効果的な事業戦略を打ち出そう。フレームワークを用いるメリットは、事業の位置づけがしやすく、どう前に進むべきかが理解しやすいことだ。企業内で展開される事業は、上記で示した2つの軸内に位置する4つの象限のどこかに分類される。4つの象限の意味と格付け、それぞれの対応策(使い方)を知っておこう。

● 花形=Star
市場成長性、マーケットシェアともに高いカテゴリ。市場成長率が高いため競争率が激しく、積極的な投資は不可欠である。加えて、マーケットシェアが高いため利益が出やすいのが特徴だ。継続した投資をしながら、稼げる木、つまりカネのなる木へ成長させよう。

● 問題児=Question Mark
市場成長率は高いが、マーケットシェアが低いのが特徴。継続的な投資が必要であるが、飛躍的な利益の追求は厳しい場合が多いため、企業内の他の事業で得た余剰利益や資源をこの事業に回す必要がある。マーケットシェアを高める努力をしながら、花形へのランクアップを目指そう。

● 負け犬=Dog
市場成長率が低く、マーケットシェアも低いためも新規で参入する企業は少ないのが特徴だ。この事業での利益は小さく、事業撤退を検討する必要性がある。事業の整理をしながら、利益や資源を花形や問題児に位置する他の事業へと分配できるか話し合おう。

● カネのなる木=Cash Cow
市場成長性は低く、マーケットシェアは高いカテゴリ。市場成長率が低く市場は穏やかだが、マーケットシェアでの高さを維持しているため、利益が出やすい。積極的な投資の必要もなく、この事業で得た利益をそのまま投資していくか、他の花形や問題児の事業へ分配すべきかを検討しよう。

企業の全社レベルで用いることができるプロダクト・ポートフォリオ・マネジメント。商品やサービスがマーケットでどのような位置にいて、どのような対応が必要なのかが分かるシンプルなマネジメント・メソッドである。自社のリソース配分を決定するために利用できるのが非常に魅力的だ。積極的に使いこなしていこう。

南青山リーダーズ株式会社 編集部