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意外と知らない?出向・派遣・アウトソーシングの違い

camera_alt (写真=Anetlanda/Shutterstock.com)

労働の形態として、「出向」「派遣」「アウトソーシング(業務請負)」という種類があるのはご存知でしょうか。似たイメージを持つ言葉かもしれませんが、内容はそれぞれ異なっています。今回はこれらの違いについてご説明いたします。

出向・派遣・アウトソーシングの違い

・ 出向とは、出向元だけではなく出向先とも労働契約を結び、かつ指揮命令権も出向先にある
・ 派遣とは、労働契約は派遣元と結び、指揮命令権が派遣先にある
・ アウトソーシング(業務請負)とは、指揮命令権は請負元にあり、企業からの指揮命令は発生しない

出向も派遣も、社員は、出向元、派遣元と労働契約(雇用契約)を結んでいることになります。出向も派遣も、現在雇用されている会社から別の会社で働く状態となることは同じなのですが、出向と派遣は全く別のものです。社員を出向させたり、派遣で人材を受け入れたりと、出向や派遣は、今後も事業経営に密接な関わりを持ってくると言えます。また、広い意味では派遣もアウトソーシングの一部です。

これらの違いについて、しっかりと理解し、トラブルを引き起こさないためのポイントを抑えることが重要です。出向・派遣・アウトソーシングの違いについて説明いたします。

出向とは?

出向には2種類あります。

1. 在籍出向
現在勤務している会社に籍を残したまま、別の会社の指揮命令下に入り、別の会社で就労することを言います。

2. 転籍出向
出向元との労働契約を終了し、出向先の企業に籍を移します。社員としての地位が転籍先の会社に変更されることになります。個別の同意が必要不可欠になります。

派遣とは?

雇用主は派遣会社で、勤務先は派遣先企業です。派遣の場合、雇用主はあくまでも契約を結んだ派遣会社(派遣元)で、 派遣社員へのお給料は派遣会社から支払われます。ただし、派遣社員への業務の指示や管理をおこなうのは、勤務先、つまり、派遣先企業です。このように、雇用契約先と勤務先が異なることが、派遣の大きな特徴です。

派遣と出向の違いは?

派遣と出向の違いは、社員が出向元又は派遣元と結んだ労働契約が、出向先又は派遣先に移るか否かです。出向の場合は、社員が出向元と結んだ労働契約の一部又は全部が、出向先へ移ることとなります。それに対して、派遣の場合は、派遣元との労働契約は、派遣先へは移らず、指揮命令権だけが派遣先へ移ることとなります。

POINT
労働契約の一部又は全部が移るか否か

アウトソーシングと派遣の違いは?

<アウトソーシング>
アウトソーシング(業務委託) とは自社の業務の一部を外部に委託することです。いわゆる業務の「外注化」です。アウトソーシングを行うと、業務によっては効率化が期待できます。

<派遣>
派遣は、使用する事業主が具体的に求めるスキルを持った人材を、必要な期間だけ確保することができます。専門知識を持った社員がいない企業でも、高度な仕事が可能になります。

アウトソーシングが向いている場合
・ 定形的な業務が大量に発生する
・ 業務を社外に出せる
・ 社内でノウハウを蓄積できなくても経営上支障がない
・ 自社にノウハウがない

人材派遣が向いている場合
・ 人が早急に必要
・ 継続的な業務ではない
・ イレギュラーな業務が多い

まとめ

あらゆる業種で産業構造の変化が起きており、内部や外部の環境にいち早く対応することが、企業の生き残りのために必要になっています。そのカギを握るのは「人材」ではないでしょうか。変化に対峙する社会では、その原動力となる人材の開発が急務であり、競争に勝ち抜く姿勢が求められます。こうした経営の効率化や環境の変化に対応するための手法の一つが「アウトソーシング(自社の業務を外部へ委託する)」です。しかし、本当に必要なことは、一人一人の労働者に組織のミッションを理解してもらい、成果に繋がる働き方をしてもらう事に他なりません。

出向・派遣・アウトソーシングは混同しやすく、うっかり違法となってしまうケースもあるため、これらの違いはしっかりと理解しておくことが必要です。

まず、自社に必要な機能は何かを把握し、自社の業務効率化について、もう一度見直してみてはいかがでしょうか。


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