企業の経営戦略 アンゾフの成長マトリックスとは?

22080155 f8e2 46a9 8b4c d9f1d9d732c1 camera_alt (写真=Olivier Le Moal/Shutterstock.com)


企業が永続的に繁栄していくためには、確固たる経営理念を持ち、経営者・従業員ともにその理念を共有して、一丸となって経営目標を達成する必要がある。そして、こうした経営目標を達成させるためには、内部・外部環境の変化に対応できる経営戦略が必要となる。

経営戦略がなければ永続的な繁栄は難しい。そこで、長期的なビジョンをもとに企業の経営戦略を検討する必要性がでてくる。では、経営戦略はどのように考えればよいのだろうか。その一つのヒントを与えてくれるのが「アンゾフの成長マトリックス」だ。アンゾフの成長マトリックスとは一体何か、説明していくこととしよう。

アンゾフの成長マトリックスとは?

アンゾフの成長マトリックスとは、企業が経営戦略上、どのような成長戦略をとることが望ましいか判断するための材料として用いるものである。市場と製品の二軸を設定し、それぞれ既存か新規かで区別することで4つの象限にわけ、成長戦略を検討していく。

1. 市場浸透戦略(既存の市場×既存の製品)
まず、既存市場において既存製品をもとに検討するのが「市場浸透戦略」である。いかに売上をあげるか、顧客に利用してもらうかを重点として考えることから、他社との競争に打ち勝つような戦略を考えなければならない。例えば、一般顧客を自社製品のファンとなり愛用してもらう、ロイヤルカスタマー(忠誠心の高い顧客)へと育てることで市場シェアを確固たるものにしていくためにはどうすればよいか分析する必要がある。

2. 商品開発戦略(既存の市場×新規の製品)
次に、既存市場において新製品を投入する「商品開発戦略」を見ていこう。これは、新しい製品を既存市場における顧客へ販売する戦略である。例えば、既に顧客のニーズが顕在化した市場に、価格や性能に競争力がある新製品を投入する、といったケースが考えられる。

3. 市場開拓戦略(新規の市場×既存の製品)
3つ目に、既存製品をもとに新市場を開拓する「市場開拓戦略」を挙げることができる。例えば、日本で流行った製品を海外市場で販売する方法や、これまで子供用のオムツをつくっていた企業が高齢者向けへと進出する。こうした展開は既存のノウハウを適用できるため、企業としても進出しやすい戦略といえる。

4. 多角化戦略(新規の市場×新規の製品)
4つ目に、製品・市場ともに既存のものではなく新しい分野でチャレンジする「多角化戦略」を挙げることができる。多角化戦略では、市場、製品ともに既存のノウハウを大きく活かしていくわけではないため、4つの戦略の中で最も難易度が高いといえる。

マトリックスによって何を得ることができるのか?

こうしたマトリックスからいえることは、4つの領域のいずれにおいても自社にとって何を行うべきなのか戦略を立てることができる。ただし、自社の製品、市場における強み、弱みがわかっていることが前提となる。そうした前提条件が明確となっていない場合には、戦略だけ立てても実行時に効果を伴わない場合がある。

そして、既存製品をいかに新しい市場で販売できるか。既存ノウハウを活用したリスクの低い経営戦略を立てることができるのもマトリックスのメリットといえよう。

マトリックス使用時の注意点

なお、マトリックスを利用する時に注意点がある。それは、考え出された戦略が果たして最適な戦略といえるかどうかは別途検討する必要があることだ。例えば、市場浸透戦略をとるには、広告宣伝費の増大など費用がかさむ心配がある。そのため、利益水準を低下させるおそれがある。また、既存市場が衰退しているようなケースでは、新製品の投入は意味をなさない可能性もある。

こうした成長戦略を描くときには、市場動向や今後のハードルを明確にしたうえで、アンゾフの成長マトリックスを利用すべきといえる。

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