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SWOT分析とは? 使い方をやさしく解説

camera_alt (写真=dizain/Shutterstock.com)


企業が自社の強みや弱みを分析することで、次のビジネス機会を見出す。このような分析方法で有名なものに「SWOT分析」がある。SWOT分析とは何なのか、またどのように使うと有効的であるのかを解説していこう。

SWOT分析とは?

SWOT分析とは、企業の現状分析を2×2のマトリクスで整理し、今後の事業展開に活かす手法である。SWOTのSとは、Strength(強み)を表す。WはWeakness(弱み)、OはOpportunity(機会)、TはThreat(脅威)を表す。この4つから、自社を取り巻く環境における影響度合いを把握し、自社にとってより良いビジネスの可能性を発見していくことになる。

・強み(Strength)
自社の武器となるもの。同業他社などと比較して自社の強みは何か、その強みを今後どのように維持・強化・活用していくのかを検討する。小さな事柄でも、強みを掘り起こすことで何か新しいヒントや、自社がやるべき領域を見出すことにつながる。

・弱み(Weakness)
自社の苦手な領域や弱みとなる部門が該当する。他社と比較して技術面で劣るといった観点や、営業マンが少ないなど、弱みとなる部分を示していく。これは、弱みを克服するといった観点から重要な要素となる。そのため、社内で些細な事柄でも遠慮せず従業員から意見を出してもらうことが重要となる。

・機会(Opportunity)
自社のチャンスとなる外部要因が該当する。例えば、高齢化が進む日本の将来を考慮して、シニア層をターゲットとする製品の販売を行っていく、といった状況を検討することが該当する。外部環境の変化をうまく活用していく戦略には何があるか、などの機会を模索していく。

・脅威(Threat)
自社を脅かす外部要因が該当する。例えば売上減少を招きかねない人口減少は、自社ではコントロールができない外部環境の変化によるものである。そのまま放置しておいては売上が減る可能性が高いため、早めの対処が必要なことが判断できる。

SWOT分析の目的

4つの現状分析を行い、今後の自社のビジネス機会を探ることがSWOT分析の意義である。そして、自社の強みを活かし、弱みを克服しながら、次の領域へステップアップするための事業戦略を機会と脅威から検討していくことになる。

なお、SWOT分析は、事業戦略やマーケティング計画を行う際の事前段階で分析手法として用いることが多い。この分析をもとに、強みと機会から経営戦略を論理的に導いたり、弱みと脅威から撤退や売却したりする戦略も検討することになる。体質を強化する狙いもあるのだ。

SWOT分析の使い方

SWOT分析を行うためには、まず1つの事柄から始めていこう。大きな視点からSWOT分析を行うには膨大な時間と労力がかかるため、あまり効果はない。

例えば、A製品をインターネットで販売していくことを検討していたとしよう。この時に、自社の強み、弱みは何か。もし、技術力が他社より高いのであれば強みとなる。ITに弱いのであれば弱みとなる。機会としてはこれまで顧客と考えていなかった人たちが買う可能性があることを想定できる。また、脅威としては他社が新製品を出した場合などが想定される。

こうしたSWOT分析を行い、インターネット広告などで強み(技術力の高さ)を前面に打ち出す、ITに弱いという弱みはインターネット販売に強い企業と手を組むなどで補完する、といった方針を検討していく。また、機会はチャンスと捉え、脅威には対処できる方法を検討しておく。こうすることで、売上や利益増に貢献できる戦略を打ち出すことができる。

SWOT分析でできること、できないこと

SWOT分析では、現状の自社の立場からどのようなチャンスをつかむことができそうかの分析を行うことができる。ただし、競合相手を誰と想定するのかによって強みや弱みは異なってくる。

そのため、自社では強みと思っていた点が市場全体で見ればそうではなかった、ということがありえる。一方、弱みと思っていたことが他社も弱みと感じており、市場における自社の弱い点とならないこともある。そのため、一方向に強み、弱みと決定づけることはできないのである。

以上から、こうした強みや弱み、機会と脅威は表裏一体の関係にもあるため、SWOTのどこに入れるべきかと考えるよりも両面から探っていくことが重要といえるだろう。まず、1つの事柄から自社のSWOT分析をはじめてみよう。多方面から自社を考えてみると、今までとは違う視野で、ビジネスチャンスを導くかもしれない。

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