IPOとは何か、そのメリットとデメリットは?

A1e0f2ff 7e80 4347 8bda bb96c26f84c0 camera_alt Shutterstock_patpitchaya さん

IPOとは何か

IPOとはInitial Public Offeringの略で、新規株式公開のことをいいます。

株式公開とは、株主が同族あるいは特定の少数者のみに限られており、株式の譲渡に制限を付している状態から、株式を証券市場において流通させることによって誰でも株式を売買できるようにし、広く一般の投資者に資本参加を求めることをいいます。

株式公開により会社の株式は多数の投資者に保有・取引されることになります。また、金融商品取引法の規制のもとに株式の投資判断のための情報開示が行われることになります。

IPOには、企業経営、株主、従業員の視点から多くのメリットがあるとともに、上場企業となることにより様々な負担が増加するデメリットもあります。

IPOのメリット

会社経営の視点からは、IPOには以下のようなメリットがあります。

①知名度・信頼性の向上

株式公開を行い、証券市場に上場することにより、会社の知名度が向上します。また、信頼度の向上による交渉力の強化や与信枠の拡大、社会的な知名度の向上による業績の向上が期待されます。

②優秀な人材の確保

知名度や信頼性の向上により、安定した将来性のある会社とみられることで、採用において優秀な人材の応募が増加することが期待されます。

③資金調達の多様化、財務基盤の強化

株式公開により証券市場からの資金調達が可能となり、資金調達手段の多様化を図ることができます。また、証券市場からの資金調達により財務基盤の強化につながります。

④社内管理体制の充実

株式公開にあたっては、コーポレートガバナンスの強化や、リスク管理体制の充実、効果的かつ効率的な社内管理体制の整備が求められるため、社内管理体制の充実が図られます。

⑤従業員のモラル・モチベーションの向上

従業員教育が浸透することによる従業員のモラルの向上、インセンティブ制度の導入によるモチベーションの向上が図られます。

株主の視点からは、IPOには以下のようなメリットがあります。

①株式の流動性の向上

非上場会社では一般的に株式の譲渡に制限が設けられており株式の流動性は低いですが、証券市場において株式の売買が可能となることにより、株式の流動性が向上します。

②客観性の高い株価の形成

証券市場において公正な株価が形成されることにより、所有株式の価値が明確となります。

③創業者利潤の獲得

創業者は、上場で株式の売却が可能になることにより、創業者利潤の獲得が可能となります。

④資産価値の形成

株価の変動により、株主の資産価値が影響を受けることになります。

従業員の視点からは、IPOには以下のようなメリットがあります。

①社会的信用度の向上

上場会社の従業員ということから社会的な信用度が向上し、住宅ローンが組みやすくなるといった効果があります。

②従業員の財産の形成

株式報酬制度等のインセンティブプランにより、従業員の財産形成が促進されます。

③モチベーションの向上

知名度の高い上場会社の従業員であるということから、勤務先が上場会社であるとの誇りを持つことができます。

IPOのデメリット

IPOには上記のメリットがある一方、デメリットもあります。

①社会的責任の増大

株式公開することで、多数の株主や投資家に対する説明責任、情報開示義務や業績や株価の目標達成の責任、利害関係者が増加することによる社会的責任が生じます。

②上場維持コストの負担

上場企業は、金融商品取引法や証券取引所規則による適時開示への対応が必要となり、また、株式公開により株主数が大幅に増加します。そのため、適時開示、株式事務、株主総会対応等といった管理部門のコスト増加が生じます。

③経営意思決定の迅速性・自由度の低下

非上場会社の時に比べて意思決定に時間がかかり、かつ、法律や社内規程による制限が多くなります。

④敵対的買収の脅威

株式が上場することで誰でも株式を売買できるようになり、また、株式が市場に大量に流通するため、自社にとって好ましくない株主に株式を取得され、会社を支配される可能性が生じます。

おわりに

IPOを実現することは企業や経営への影響が大きく、また、株式公開によるメリットとデメリットはトレードオフの関係にあるといえます。

株式公開前は、限られた特定の株主で構成され、株式の流動性が低く、情報開示が限定的なプライベートカンパニーであったものが、株式公開後は不特定多数の株主で構成され、株主の流動性が高く、情報開示が広く行われるパブリックカンパニーになります。また、企業を取り巻く利害関係者が増加し、利害関係者に対する社会的責任も増えます。すなわち、株式公開により、会社は「社会の公器」になるといえます。

経営者が、IPOとは何か、そのメリットやデメリットなどを理解したうえで、IPOを目指す意義は何か、IPOが企業の成長戦略を実現するための手段として有効で適しているか、といった検討することが重要です。

南青山リーダーズ編集部

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