【韓国】LG化学がNBL生産拡大、世界3拠点で[化学](2021/07/13)
韓国化学大手のLG化学は、医療用手袋などに使われるニトリル・ブタジエン・ラテックス(NBL)の生産能力を拡大する。韓国のほか、中国、マレーシアにある生産拠点を通じて、新型コロナウイルス感染症の影響で世界的に伸びる需要を取り込む考えだ。
まずは、韓国の麗水工場(全羅南道麗水市)の生産能力を年17万トンから28万トンに増強する。すでに昨年から生産ラインの増設工事を進めており、2022年上半期にも商業運転を始める予定だ。
中国では、寧波市にある既存工場に年産10万トン規模のNBL生産拠点を新設し、このほど本格稼働を開始した。現地の需要急増に合わせて、22年上半期までに追加投資を通じて、年産11万トン規模の設備増強に乗り出す。
マレーシアでも、現地の国営石油ペトロナス傘下のペトロナス・ケミカルズ・グループ(PCG)と合弁で、年産24万トン規模の工場建設を進めている。23年上半期にも新工場を稼働させ、巨大市場での供給拡大を狙う。マレーシアは、NBLが用いられるニトリル手袋の世界生産の70%以上を占める。
■24年には需要倍増も
NBLはブタジエンを主原料とする合成ゴム素材で、医療や家庭向けのニトリル手袋を中心にさまざまな分野で活用されている。ニトリル手袋は既存の天然ゴム手袋よりも強度と耐化学性に優れており、コロナ禍の影響で世界的に需要が急増している。
マレーシアゴム手袋生産者協会(MARGMA)によると、ニトリル手袋の世界市場規模は24年に4,109億枚と、20年(2,064億枚)比で倍増するとみられている。