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【インドネシア】新規感染者、1カ月で4倍に[社会](2021/06/28)

インドネシアの新型コロナ緊急対策本部(タスクフォース)によると、27日の新規感染者数は過去最多の2万1,342人だった。うち首都ジャカルタ特別州は9,394人と、2日連続で過去最多を更新した。国内の新規感染者数は6月初旬までは5,000人前後の日もあったが、1カ月足らずで約4倍規模に拡大。26日の新規感染者数は、ロシアに次いで全世界で5番目に上昇した。足元では病床が逼迫(ひっぱく)した状態が続いている。

首都ジャカルタでは病床利用率が93%に上るなど病床がひっ迫した状況が続いている(アンタラ通信)

首都ジャカルタでは病床利用率が93%に上るなど病床がひっ迫した状況が続いている(アンタラ通信)

22日時点の感染者数は、ジャカルタが州別最多の3万2,521人、西ジャワ州が3万2,485人、中ジャワ州が2万7,684人と3州で国内全体の約6割を占める。

保健省によると、全国の隔離病室と集中治療室(ICU)の病床数は計9万7,821床。27日時点の病床使用率の全国平均は72%だった。ジャカルタ特別州は93%、バンテン州が91%、西ジャワ州が89%、中ジャワ州が87%、ジョクジャカルタ特別州が86%など、ジャワ島の6州が最上位を占めた。

地元メディアでは、感染が急増した西ジャワ州ブカシ市の病院で、患者が院内に入れないため外で待機する様子が報道された。ブカシ市の27日時点の病床利用率は94%だった。

国内で感染が急速に拡大していることを受けて、感染者用の病床を確保するための措置がとられている。公共事業・国民住宅省によると、南ジャカルタの集合住宅「パサール・ルンプット」を新たに自主隔離用施設として使用する。パサール・ルンプットは3棟から成り、部屋数は計1,984室。1号棟から順次活用する。

■首都の3病院をコロナ専門へ

保健省は、ジャカルタの総合病院3カ所を新型コロナウイルスの専門病院に指定した。コロナ専門病院に指定されたのは南ジャカルタのファトマワティ病院、東ジャカルタのプルサハバタン病院、北ジャカルタのスリアンティ・サロソ病院。

このほか、保健省保健サービス局のカディル局長は、全ての病院の緊急治療室(IGD)を新型コロナ感染者の治療病床とする方針を示した。これまでIGDで対応してきた医療サービスは、病院の敷地内に設営したテントで対応する。また病院内の開いているスペースにもベッドを設置し病床を追加する。

また変異株の感染例も増えている。CNNインドネシアが24日伝えたところによると、ジャカルタ特別州保健局疾病予防・対策課は同日、70件の変異株を確認したと発表した。ドゥウィ課長によると、ゲノム解析した新型コロナウイルス検体987件のうち70件が変異株だった。インドで最初に確認された「デルタ株」が55件、英国で最初に確認された「アルファ株」が12件、南アフリカで最初に確認された「ベータ株」が3件だった。70件のうち33件は海外渡航歴のある患者から確認された。19件はジャカルタ特別州内での市中感染、10件はジャカルタ首都圏での市中感染であることが確認されている。残る8件については感染経路の特定を進めている。

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