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【シンガポール】未承認のコロナワクチン、特別入手を認可へ[医薬](2021/06/02)

特別入手経路を利用した新型コロナワクチン接種について説明する保健省のケネス・マック氏(情報通信省=MCI=提供)

特別入手経路を利用した新型コロナワクチン接種について説明する保健省のケネス・マック氏(情報通信省=MCI=提供)

シンガポール保健省は、国内で未承認の新型コロナウイルスのワクチンについて、「特別入手経路(SAR)」制度を通じて民間医療機関が輸入、接種できるようにする。健康上の理由から、現在承認されている2種類のワクチンを接種できない人向けの措置となる。

米医薬品大手ジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)や英アストラゼネカ、中国医薬集団(シノファーム)製ワクチンなど、世界保健機関(WHO)が「緊急使用リスト」に掲載し、安全性や効果が認められたワクチンを対象とする。あくまで新型コロナ流行期間中の一時的な措置とする。

特別入手経路制度は、民間の医療機関を通じて利用してもらう。費用は自己負担とし、政府の補助はない。副反応が出た際の経済的補償も対象外とする。医師と相談の上、本人の同意の上で進めてもらう。

シンガポールでは現在、米ファイザー製とモデルナ製のワクチンが承認され、大規模接種が行われている。ただいずれもメッセンジャーRNA(mRNA)型のワクチンで、重篤なアレルギーを持つ人などは接種が難しい。こうした人への救済措置として、mRNA型以外のワクチンを接種できるようにするのが狙いだ。

新型コロナ感染対策の閣僚級作業部会のメンバーが5月31日に行った記者会見では、民間病院でのワクチン接種を目的とした医療観光を受け入れるかとの質問が出たが、政府は「居住者のワクチン接種率を高めるのが狙い。医療観光を受け入れるつもりはない」と否定した。

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