【台湾】ワクチン輸入、一転して「中央が主導」[社会](2021/05/31)
台湾衛生福利部(衛生省)の中央流行疫情指揮中心は29日、新型コロナウイルスワクチンについて「中央政府が直接メーカーと契約し、分配する」という原則を守らなければならないとの見解を発表した。28日には条件付きで地方政府や企業によるワクチン輸入を認めるとしていたが、一夜明けて一転した形。
指揮中心は、ワクチンの配送には高度な技術が要求されるため、中央政府が責任を持って管理すると説明。伝染病防治法によると、予防接種を含む防疫措置は中央政府が責任を負う。薬事法もワクチンの製造、輸入の権限は中央政府に属すると定めており「ワクチンの取得、分配、接種は中央政府が統率しなければならない」とした。
台湾メディアによると、指揮中心は28日、地方政府と企業のワクチンの輸入申請に関する取り決めを発表。書類の準備や衛生省食品薬物管理署(食薬署)による審査などを条件に使用を認めるとしていた。
一方、EMS(電子機器の受託製造サービス)世界最大手、鴻海精密工業の創業者である郭台銘氏は29日、自身が創設した慈善団体「永齢基金会」を通じてドイツのビオンテック製ワクチンを500万回分輸入する計画を明らかにした。政府の許可が得られ次第、ドイツから直接台湾に輸送したいとしている。