【中国】第3子の出産容認、高齢化進行受け[社会](2021/06/01)
新華社電によると、中国共産党の習近平総書記(国家主席)が主宰する党中央政治局会議は5月31日、1組の夫婦につき第3子まで出産を認める方針を示した。これまでは原則2人だった。近年、中国で高齢化が急速に進む中、「出産政策をさらに最適化することは、人口構造の改善や高齢化に対応する国家戦略の実行に有益だ」とした。
会議では、第14次5カ年計画(2021~25年)期間中の人口高齢化に対応するための主要な政策についての報告を聴取。結婚や出産、子育て、教育をめぐる若者の結婚観や家庭観に関する教育と指導を強化する方針も示した。育児サービスの整備や、教育資源の提供などによって家庭の教育支出を削減するほか、出産休暇や出産保険制度も改善する。
国家統計局が5月に発表した国勢調査によると、中国の60歳以上の人口は20年11月1日時点で2億6,401万8,766人となり、全体(14億1,177万8,724人)に占める割合は18.70%。60歳以上のうち65歳以上は1億9,063万5,280人で、全体の13.5%を占めた。中国は、60歳以上の人口比率10~20%を「軽度の高齢化段階」(国家統計局)と位置付けているが、国連が「高齢社会」の基準値とする14%(65歳以上)に迫った。
中国メディアによると、専門家は21~25年の期間に新生児が年間1,000万人の大台を割り込むとの見通しを示している。人口高齢化の進行も重なって、中国社会科学院は早ければ27年に中国の人口が減少に転じると予測している。