【ベトナム】米国へのワクチンツアー、今年は取りやめに［観光］（2021/05/27）

ベトナムの地場旅行社が企画していた、米国での新型コロナウイルスワクチン接種ツアーの開催が、今年は取りやめとなった。出入国の規定やベトナムへの帰国便が運航できるかどうかなどが不透明で、企業と旅行者の間でトラブルが発生する恐れがあるためだ。サイゴンタイムズ電子版が25日伝えた。

ホーチミン市観光局と同市の旅行会社は24日の会合で、来年までワクチン接種ツアーの実施を見送ることを決めた。世界の感染状況が予測できず、各国の出入国規定が変更になる可能性があること、米国間との通常の商業運航は止まっており、帰国便を手配できるか不透明なことなどを理由としている。米国での足止めや帰国後の隔離措置などを巡るトラブルが発生する恐れがあり、状況を注視する必要があるとした。

米国へのツアーを発表した旅行会社は全てホーチミン市の企業で、ベトナム政府観光局は同市観光局と企業に、ツアー内容の確認や実施に向けた準備を共同で進めるよう指示していた。

ＶＮエクスプレスによると、ツアーの販売価格は約4,500万ドン（1,950米ドル、約21万円）で、ホーチミン市から米国までの片道航空券、三つ星ホテルの８日間の宿泊費、米ジョンソン・エンド・ジョンソン社のワクチン接種１回分が含まれていた。ただ、米国からの復路航空券代、帰国後に強制隔離を受ける21日間のホテル費用、ＰＣＲ検査費などは含まれておらず、全て含めた総額は１億7,000万ドン程度になると見込まれていた。旅行業界の関係者は、隔離規定や米国のワクチンをベトナム政府が認めるかどうかなどの情報が適切に顧客に伝えられていないと懸念を示していた。