【ミャンマー】米英カナダが制裁強化、軍政の閣僚も[政治](2021/05/19)
米国とカナダ、英国は17日、クーデターを起こしたミャンマー軍事政権への制裁強化を発表した。米国とカナダは、国軍が設立した最高意思決定機関「国家統治評議会(SAC)」が任命した閣僚らも対象に加えた。人権侵害を続ける国軍に、連携して圧力を強化する。
米財務省は、組織としてのSACと、SACのメンバーら16人を制裁対象(SDN)リストに追加した。16人の内訳はマン・ネイン・マウン氏らSACのメンバーが4人、SACが任命した閣僚ら9人と、SACメンバーの子ども3人。ミン・アウン・フライン総司令官らSACの主要メンバーは、既に制裁リストに入っている。
制裁対象となった閣僚らには、コー・コー・ライン国際協力相、ピン・サン商業相、ウィン・シェイン計画・財務・工業相、テ・カイン・ウィン保健・スポーツ相、キン・マウン・イー資源・環境保全相のほか、ミャンマー中央銀行のタン・ニェイン総裁などが含まれる。
計画・財務・工業省は今月に入って、計画・財務省と工業省に分割されている。
米政府は、制裁対象の米国内の資産を凍結するとともに、米国市民や法人などとの取引を、ほぼ全面的に禁止する。
■カナダ、総司令官の子どもに制裁
カナダ外務省は、国軍関係者など16人と、国軍支配下の4社、国軍幹部の家族が経営する6社に制裁対象を拡大した。
16人には、SACメンバーのマウン・マウン・チョー氏とモー・ミン・トゥン氏やチット・ナイン情報相、ミン・アウン・フライン総司令官の子ども2人などを含んでいる。
制裁対象企業は、ミャンマー宝石公社(MGE)、ミャンマー真珠公社(MPE)、カンクリ(ジェムズ・アンド・ジュエリー)、ミャンマー・ティンバー・エンタープライズ(MTE)の国軍支配下の4社と、ミン・アウン・フライン総司令官の子どもが関与するA&Mやスカイ・ワン建設など6社。
また、英外務省はMGEを制裁対象に追加した。英国とカナダは米国同様に、制裁対象の資産を凍結し、自国民、自国企業との取引を禁止する。