【香港】香港市民、本土全域からの入境で隔離を免除[社会](2021/04/27)
香港政府は26日、香港住民に対し香港入境後の強制検疫・隔離を免除している「回港易」スキーム(計画)の適用対象を、従来の広東省とマカオから、中国本土の全域に広げると正式に発表した。27日から専用予約システムで申請受け付けを開始する。聶徳権(パトリック・ニップ)公務員事務局長は26日の記者会見で、「本土の感染状況が落ち着いてきたため、実施を決めた」と説明した。官営メディアのRTHKなどが伝えた。
18歳以上の香港身分証(IDカード)保有者であれば、同システムを通じて予約が可能。帰還の手段は、陸路か空路かを問わない。一定の条件を満たせば、入境後、14日間の隔離が免除される。1日当たりの申請枠は、深セン湾が3,000人、港珠澳大橋の入管が2,000人、空港が1,000人に設定。当面は今月29日から5月16日までの指定の日時と出入境管理施設について申請が可能という。
一方、林鄭月娥(キャリー・ラム)行政長官は先に、本土住民を対象に香港入境時の隔離措置を免除する「来港易」スキームを5月から開始させたい意向を明らかにしている。◇隔離なしでの往来再開◇来港易◇「ワクチンバブル」と名付けたワクチン接種済みを前提とした規制緩和――の3本柱が、経済浮沈を左右する取り組みと政府内で位置付けられている。
26日付香港経済日報によると、ある政府筋は「本土との往来正常化のまず一歩だ」と評価した。しかし、観光業界や小売業界の間では、香港が新型コロナウイルスの流行で「失われた2年」を取り戻すに当たって、来港易の実施が来月半ばとみられる上、香港から本土に戻ってから14日間隔離が必要となり困難が伴うことから、業界への寄与度は低いとの見方が多い。利用はビジネス客などが主体となり、観光旅行で来る人は少ないとみている。