【ベトナム】プラ製品値上げ相次ぐ、原料供給網混乱で［製造］（2021/03/23）

ベトナムのプラスチック製造各社による商品値上げが続いている。欧米や中国からの原材料の供給停滞に加え、輸送コンテナ不足がコスト増につながっているためだ。サイゴン・ザイフォン（電子版）が伝えた。

鉄鋼大手ホアセン・グループのプラスチック製造部門は、ポリ塩化ビニール（ＰＶＣ）製パイプ・継ぎ手製品価格の30％引き上げを顧客に通知した。昨年の第４四半期（10～12月）から原材料価格が高騰しているためだ。ビンミン・プラスチックも価格動向が読めないため、操業計画の発表を見送っている。

原材料コスト急騰の背景には、プラ原料の60％を輸入に頼っていることがある。主な輸出元である欧州と中東地域は、昨年の第４四半期から新型コロナウイルス感染拡大防止のため行動制限や検疫を強化した。貿易活動の停滞が始まったほか、コンテナ不足も深刻で、輸送コストが大幅に増加した。アジアで最大の供給元である中国も今年２月に長期の旧正月休暇があったため、供給不足に一層拍車がかかった。

タイとインドネシアが代替の供給元になっているが、いずれも供給価格を引き上げ続けている。現在のプラ原料価格は、前年同時期に比べて約30％上昇した。