【カンボジア】天然ゴムの価格上昇、中国の需要増が追い風[農水](2021/03/18)
カンボジア産の天然ゴム価格が、昨年に比べて2割ほど高い水準で取引されている。中国などの需要拡大が価格を押し上げているためで、ラテックス(ゴム樹液)価格は現時点で1トン当たり1,800米ドル(約19万6,400円)に達した。プノンペン・ポスト(電子版)が16日に伝えた。
農林水産省天然ゴム総局のポル・ソファ総局長は16日、中国とインドの一部地域での需要拡大が価格上昇の要因になっていると指摘。ベトナムのホーチミンに出荷するラテックスは、前年同期の同1,500米ドルから2割高の1,800米ドルで取引されていることを明らかにした。地場ゴム栽培、輸出業者ソフィーク・ニカ・インベストメント・アグロ・インダストリアル・プランツの幹部もベトナム国境での取引価格が前年同期の1,400米ドルから1,700米ドル超に上昇していると報告。「中国での需要拡大が最大の要因。他の国・地域では(需要に)大きな変化はない」と指摘した。
ただ同幹部は今後の見通しについて、他国でもゴムの収穫が本格化する時期を迎えるため、向こう3カ月間で取引価格は低下する可能性があるとしている。
カンボジアのラテックス輸出量は1~2月で前年同期比10.3%増の8万3,620トンだった。2月末時点の国内の栽培面積は40万4,118ヘクタールで、収穫可能な面積は全体の72.4%に相当する29万2,497ヘクタール。残り11万1,621ヘクタールでは、まだ収穫準備が整っていないという。