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【香港】2月の中小景況感は大幅改善、飲食で顕著[経済](2021/03/11)

香港政府統計処が9日発表した2月の中小企業業況調査で、香港域内中小企業の現在の景況感を示す「業務収益現行動向指数」(季節調整済み、以下現行指数)は44.4と、前回1月調査(38.1)に比べて6.3ポイント改善した。改善は2カ月連続。景況判断の分かれ目の50を依然として下回っているものの、新型コロナウイルスの感染拡大「第4波」の落ち着きが、景況感の回復につながったとみられる。

現行指数を業種別に見ると、主要7業種で軒並み改善。特に飲食は45.5と同21.5ポイントも上昇し、改善傾向が際立った。卸売り(45.6)とビジネスサービス(ITや法律・会計など、47.9)もそれぞれ8.5ポイント、7.4ポイント上昇と、改善の度合いが大きかった。

1カ月後の業況見通しを示す「展望指数」は全体では52.0と、18年3月(51.0)以来、35カ月ぶりに節目の50を超えた。飲食業は64.4と、前回調査(36.3)から目覚ましく改善し、全業種で最高となった。

また貿易の新規受注動向では、現行指数が45.7と3.3ポイント改善し、展望指数は51.1と節目を上回った。市場需要の回復が示された。同指数は米中貿易摩擦の影響を受け始めた2018年7月(48.7)以降、50を割り込んでいた。

政府報道官は、中小企業の景況感が2カ月連続で改善したことについて、新型コロナ感染第4波の落ち着きに伴い持ち直しているものの、「全業種の小項目を見ると、依然として悲観領域にある」と指摘。だが、程度の差はあれ改善はしているとし、中でも飲食業は、営業規制の一部緩和により改善が鮮明となったと付け加えた。

今後については、政府が来年度予算案に盛り込んだ大規模な反循環的措置(景気減速を押し戻す措置)が、経済下振れやコロナ禍により中小企業が受けている圧力を緩和すると予想。香港で始まったコロナワクチンの接種が予想した通り効果を上げれば、ビジネス信頼感はさらに回復し、年内の全面的な経済回復を後押しするとの見方を示した。

調査は従業員数50人未満の中小企業約600社を対象に毎月実施している。

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