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【タイ】日本産果物をスイーツでPR、カフェと提携[食品](2021/03/08)

日本貿易振興機構(ジェトロ)バンコク事務所は、タイのカフェチェーンなどと連携し、日本産の果物・野菜を使ったオリジナルスイーツの販売を通じ、日本の青果物の魅力を発信するプロジェクトを展開している。新型コロナウイルス感染症の流行によって、日本への旅行が制限される中、日本好きのタイ人に日本産果物・野菜の魅力を広げるとともに、新たな商流の構築を目指している。

和風カフェ「京ロール園」の高知産ゆずを使ったスイーツ(ジェトロ・バンコク事務所提供)

和風カフェ「京ロール園」の高知産ゆずを使ったスイーツ(ジェトロ・バンコク事務所提供)

「フルーツフル・ジャパン」と称する同プロジェクトは、世界的なコロナ禍により日本からタイへの食品輸出が低調に推移していることを背景に、タイの消費者に日本の果物や野菜の魅力をアピールすることを目的に新たな事業として今年から開始した。

タイで人気の飲食店やカフェ、デザート専門店などと連携し、それぞれ栃木県産や福岡県産のいちご、青森県産のりんごなどを使った独自のメニューを開発し、期間限定で販売を始めた。

日本への旅行が制限されている中、かつて日本に旅行した人や、日本産食品が好きなタイ人を主なターゲットとしている。ジェトロ・バンコク事務所では、同プロジェクトを通じて、日本からタイへの果物・野菜の輸出について、新たに10件以上の継続的な取引が成立することを目指している。

■宮崎県産サツマイモや高知県産ゆずを商品化

タイ側からプロジェクトに参加しているのは、◇ジェラート専門店「アンパサンドジェラート」◇アイスクリーム専門店「ガス・ダム・グッド」◇洋菓子店「ハートベーカー」◇和風カフェ「京ロール園」◇カフェ「レモンカード・ブレッド・アンド・コーヒー」◇カフェ「リトル・ベーカー」◇カフェ「TEA101」◇ジャム製造・販売「ザ・コンフィチュア」――の8ブランド。

カフェ「ハートベーカー」の福岡県産いちごのあまおうのジャムを使ったカップケーキ(ジェトロ・バンコク事務所提供)

カフェ「ハートベーカー」の福岡県産いちごのあまおうのジャムを使ったカップケーキ(ジェトロ・バンコク事務所提供)

このうち、ガス・ダム・グッドでは、宮崎県産サツマイモの「紅はるか」の焼きいもを使ったアイスクリームを4月30日まで販売している。同チェーンの共同創設者であるラリン氏は、「紅はるかを一口食べた時、甘さの奥に隠れたスモーク感や、なめらかでクリーミーな口当たりに感動した。紅はるかを使った新開発のアイスクリームでは、ひんやりとした柔らかい焼きいもを食べているような新食感を味わえる」と説明している。

京ロール園では、高知県産ゆずジャムを使ったロールケーキを今月末まで提供している。オーナーシェフのデート氏は、「タイでも人気のあるゆずを使って、そのさわやかな香りとジューシーな果肉を生かした季節限定の特別メニューを開発した。消費者に高知県産ゆずの魅力が届くことを期待している」とコメントした。

■残留農薬検査で安全性も訴求

ジェトロ・バンコク事務所は、プロジェクトの実施に当たって、タイの消費者に安心して日本の果物・野菜を楽しんでもらうため、青森県、茨城県、栃木県、高知県など、20産地の残留農薬の検査を実施し、タイ法令の基準値に適合していることを確認した。食品の残留農薬は、タイの報道でもたびたび取り上げられ、国民の意識も高いことから、検査を通じて、日本産の果物・野菜の安全性をアピールしている。

ジェトロ・バンコク事務所の担当者は、今回のプロジェクトについて「ひとまず期間限定で、日本の果物・野菜を使ったデザートを販売する。販売状況などを踏まえて、期間終了後の販売を検討する」と説明した。

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