【ミャンマー】刑法と刑事訴訟法を改正、デモ取締まり強化[政治](2021/02/17)
クーデターで全権を掌握したミャンマー国軍が設立した国の最高意思決定機関「国家統治評議会」は14日、刑法と刑事訴訟法を改正し、即日施行した。国軍に対する抗議デモ参加者の取り締まりを強化する目的とみられる。15日付国営紙グローバル・ニュー・ライト・オブ・ミャンマーを通じて公示した。
改正後の刑法では、121条で「国家や国家を構成する組織の転覆について、他者を扇動もしくは補助、または他者と共謀することで、これらの組織に戦争を仕掛けた者は大逆罪とする」と規定。124条A項では「口頭または書面で、政府や国軍への嫌悪感、不信感、不服従をかき立てる言葉を使用した者には、罰金刑か7~20年の禁錮刑もしくはその両方を科す」とした。
また、124条B~D項で「国軍または警察による国家の安定の維持を妨害しようとした者には、罰金刑か10~20年の禁錮刑もしくはその両方を科す」「国軍の構成員または政府職員による職務の遂行を混乱させたり、妨害したりした者には罰金か7年の禁錮刑もしくはその両方を科す」ことなどを定めた。
505条では「国軍構成員や政府職員の職務に対する意欲や行動、規律などに悪影響を与えた者、国民に恐怖を与えたり政府職員に犯罪行為を扇動したり、偽のニュースを流布した者などに罰金か3年の禁錮刑、もしくはその両方を科す」ことも定めた。
ミャンマーでは各地で市民不服従運動が拡大しており、医療や建設などさまざまな部門の労働者が出勤しないことでクーデターに対する抗議を続けている。
国軍は先に、国民のプライバシー保護と治安に関する法律や区・村落に関する行政法を改正。裁判所の許可なく家宅捜査や逮捕をできるようにし、自宅に宿泊客が訪れた場合の報告を義務付けるなどの規則を設けた。