【台湾】経済部、オングストローム発展支援に63億元[IT](2021/02/17)
台湾経済部(経済産業省)は、オングストローム(0.1ナノメートル)クラスの半導体製造プロセスの発展に向けて、今年からの5年間で63億台湾元(約236億円)の補助金を投じる計画だ。オングストロームに対応する産業チェーンを域内で形成して、世界半導体産業の地位を維持する。
13日付自由時報が伝えた。計画の名称は「埃米世代半導体計画」。経済部は今年をオングストローム元年と位置付け、オングストローム向けの設備、中核部品の自主開発や人材育成、研究開発(R&D)拠点の建設などに資金を投じる。
計画によると、政府は設備メーカーに補助金を支給し、メーカーがファウンドリー(半導体の受託製造)世界最大手、台湾積体電路製造(TSMC)など域内の半導体企業に域内生産の設備を直接導入して認証を取れるようにする。
海外設備メーカーにも補助金を出して、R&D拠点などの台湾設置を誘致する計画。向こう5年で海外の大手設備メーカー2社が台湾にR&D拠点か実験室を設けることを目指す。
中核部品は、日本が輸出規制していた半導体材料を対象に域内で自主開発するよう補助金を支給する。少なくとも中核部品4種類の自主開発を目標に掲げた。政府が主導して、海外のメーカーと台湾企業が提携することも促す。
経済部は、台湾の半導体産業について、中核設備・部品を海外企業に依存していること、半導体分野のハイエンド人材が不足していることを問題視。現在の製造能力は優れているものの、オングストローム時代以降も世界をリードできる競争力を維持できるかどうかに懸念を示した。現状を踏まえ、計画を通じて競争力の強化を図る。
経済部は計画による効果が3年後に表れるとみている。