【ミャンマー】キリン合弁がヤンゴンで生産停止、デモで[食品](2021/02/09)
キリンホールディングス(HD)のミャンマーのグループ会社は8日、最大都市を管轄するヤンゴン管区での工場の生産活動を停止した。国軍のクーデターに反対する抗議デモが広がっており、従業員の安全を優先する。現地の日本人駐在員も、早期に帰国する。
キリンHDの広報担当者によれば、停止したのは合弁会社ミャンマー・ブルワリー(MBL)の工場。「今後の稼働再開は、状況を踏まえて判断する」とした。
キリンHDは、国軍系複合企業ミャンマー・エコノミック・ホールディングス(MEHL)をパートナーに、ミャンマーでMBLとマンダレー・ブルワリー(MDL)の2社を経営している。第2の都市マンダレーを基盤とするMDLは、8日時点で稼働を続けている。今後については「日々の状況を踏まえて判断する」。
MBLとMDLは、製造・物流関連以外の部門では、クーデターが発生した1日より在宅勤務に切り替えている。
■駐在員は帰国へ
キリンHDは、ミャンマーに駐在するグループの従業員に、早期の帰国を指示した。日本政府が発出する現地情勢に関する情報に基づき、従業員の安全確保のため決定したという。具体的な帰国の日程は未定。広報担当者によれば、駐在員の大部分は新型コロナウイルスの影響で既に退避したが、グループ会社の1人が残留しているという。
国軍のクーデターについてキリンHDは「(同社の)ビジネス規範や人権方針に根底から反する」と指摘。国軍系のMEHLとの合弁事業の提携を解消する方針を既に発表している。