スタートアップの資金調達・ビジネスマッチングサイト

【マレーシア】トヨタ、主力の小型2モデルの新型発売[車両](2020/12/21)

トヨタ自動車は、マレーシアで主力の小型セダン「ヴィオス」と小型ハッチバック「ヤリス」の新型を発売した。来年の販売拡大に向け弾みをつける。来年には、モータースポーツ活動「トヨタガズーレーシング(TGR)」のレースを現地で再開し、自動車好きの若い世代の需要取り込みを図る。

主力2モデルを刷新したUMWトヨタの武山副会長(右から2人目)ら=17日(同社提供)

主力2モデルを刷新したUMWトヨタの武山副会長(右から2人目)ら=17日(同社提供)

車両製造・販売を手掛ける現地合弁会社、UMWトヨタ・モーター(UMWT)が17日、オンライン形式のイベントを通じ、ヴィオスとヤリスの新モデルをお披露目した。ともに2019年に発売した現行モデルのフェースリフトで、同年1月に稼働したスランゴール州クランのブキラジャ工場で、部品を輸入して国内で組み立てる完全ノックダウン(CKD)方式で生産する。

排気量はともに1500cc、7速無段変速機(CVT)を備えた「1.5G」「1.5E」「1.5J」の3モデルを展開する。乗用車の売上税減免措置が適用される年内の販売価格は、ヴィオスが7万4,623リンギ(約191万円)、ヤリスが7万940リンギから。UMWトヨタの広報担当者はNNAに対し、「大衆市場向けに手に取りやすい価格を設定した」と説明した。販売目標については明らかにしていない。

UMWトヨタは同日、両モデルのスポーツカーシリーズ「GR」モデルも発表した。「ヴィオスGR―S」は世界初公開で、ブキラジャ工場で生産される初のGRスポーツモデルとなる。

UMWトヨタの武山明生副会長は、マレーシアで人気のトヨタのカーレース「ヴィオス・チャレンジ」の成功を受け、ヴィオスGR―Sの現地生産を決めたと説明した。一方、世界ラリー選手権(WRC)での勝利を目指し、トミ・マキネン・レーシング(TMR)と共同開発した「GRヤリス」の世界生産台数は2万5,000台を予定しており、うちマレーシアでの販売に割り当てられるのは200台未満となる。

ヴィオスは、トヨタが東南アジアやインドなどの新興国向けに開発した小型セダンで、19年に発売した3代目モデルはこれまで4万台以上を販売した。現行ヤリスの国内販売台数は約2万台。

■レース再開、マレー系の若者訴求

17日のイベントでは、来年1月からのトヨタガズーレーシングのレース再開も発表。4シーズン目となる2021年は、1月末の「ヴィオス・チャレンジ」を皮切りに11月まで11レースを開催する予定だ。

トヨタはここ数年、世界的にモータースポーツでファンの開拓に取り組んでいる。マレーシアも例外ではなく、主要顧客である華人系に加え、若い世代のマレー系顧客に訴求する。マレー系の若者はモータースポーツへの関心が高いことから、イベントの開催は予想以上の反響を得ているという。

ヴィオス・チャレンジは、ワンメーク形式で実施。有名人が参加するプロモーションクラス、プロドライバー向けのスーパースポーツクラス、アマチュア・新人ドライバー向けのスポーツクラスのほか、新たに若年層向けのルーキークラスを導入する。プロモーションクラスでは、地元で人気の俳優や歌手のほか、UMWトヨタの武山副会長の参戦も決まっている。

ルーキークラスの最年少レーサーは弱冠14歳。出場者の6人は全て、UMWトヨタ主催の「ガズーレーシング・ヤングタレント育成プログラム」の出身で、今回が初レースとなる。トヨタは、同プログラムを通じ才能ある若年ドライバーの育成と、モータースポーツ振興を目指している。

関連記事

公式Facebookページ

公式Xアカウント