【マレーシア】マハティール氏、2月政変の原因は現上級相[政治](2020/12/03)
マレーシアのマハティール前首相はこのほど、今年2月の政変の原因は、前与党連合・希望連盟(PH)内の最大勢力・人民正義党(PKR)の副党首だったアズミン・アリ現上級相(経済担当)兼貿易産業相が首相の座を狙って離反したことだとの見解を示した。アズミン氏が地元紙に語った、PH崩壊の「真相」に反論した形だ。スターなどが伝えた。
PHが連邦議会下院で過半数を失い政権交代に至ったのは、PH内のアズミン氏を含むPKR反主流派などが統一マレー国民組織(UMNO)といった当時の野党と組み、国王に対して連立政権組み替えを申し立てた、「シェラトン・ムーブ」と称される動きがきっかけ。
アズミン氏は先に地元紙で、「国民同盟(PN)政権の樹立は、マレー人の統合を目指すマハティール氏が言い出したが、同氏が2月24日に突然首相を辞任したことで計画がだめになった。その結果、マハティール氏が首相再指名でムヒディン氏に敗れた」と、PH政権崩壊の真相を語っていた。
マハティール氏はこれに対して、「PNは私の構想ではなく、PKRのアンワル・イブラヒム党首の次期首相就任を阻むためにアズミン氏とムヒディン現首相が仕掛けた策略だった」と反論を展開。「PNが私の計画だとすれば、計画が実現した際に私が拒むわけがない。あの時、PNを受け入れていたら、私は今も首相を務めているだろう」と力説し、アズミン氏が首相の座を狙って離反したことがPH政権崩壊の原因だと主張した。
当時、アズミン氏を含む11人の議員がPKRを離党したことで、PHは下院議席の過半数を割り込み、政権崩壊につながった。マハティール氏によると、アズミン氏はかなり以前からPNの設立を計画していたという。