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【タイ】国連が不敬罪に懸念、政府は適用継続の方針[政治](2020/12/22)

国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)は18日に声明を出し、タイの刑法112条で定める不敬罪の適用について懸念を表明した。表現の自由を侵害していることが理由だ。

不敬罪は過去2年間にわたって適用されていなかったが、過去数週間に同条違反の容疑で35人が出頭を命じられ、このうち1人は16歳の学生だったと指摘。平和的なデモの参加者に対する不敬罪、およびコンピューター犯罪法の適用を懸念しているとして、タイ政府に適用の中止を求めるとともに、タイも締約している人権保障の国際条約である「市民的及び政治的権利に関する国際規約(ICCPR)」19条に従い、刑法112条を改正するべきと提言した。

タイでは、学生を中心とする反体制派が、プラユット首相の辞職、憲法改正、王室改革を求めてデモを続けており、最近では不敬罪の廃止を求める活動を活発化している。10日の世界人権デーには、首都バンコクの国連ビルの前で、国連人権理事会に不敬罪の廃止をタイ政府に働き掛けるよう求めた。

20日付ネーションによると、OHCHRの懸念表明について、タイのアヌチャー政府報道官は19日、タイ政府は王室を守るために不敬罪の適用を継続するとの方針を明らかにした。政府は表現の自由、平和的なデモは禁止しないが、国家の安全保障を脅かす行為は容認しないと主張した。

刑法112条では、国王や王妃、王位継承者、摂政を侮辱、軽蔑する行為を3~15年の禁錮刑に処すると定めている。

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