【シンガポール】環境融資の利用に助成制度、世界初[金融](2020/11/25)
シンガポール金融管理庁(MAS、中央銀行に相当)は24日、企業の環境融資の利用を促進する助成制度を設けると発表した。融資を受ける企業と、提供する銀行の双方を支援する枠組みとなる。同様の制度を設けるのは世界初という。
来年1月から「グリーン・アンド・サステナビリティー連動型融資助成スキーム(GSLS)」の運用を開始する。
企業向けには、グリーンローン(環境に配慮した事業に限定した融資)やサステナビリティーローン(持続可能な社会を目指す取り組みに限定した融資)を利用する際にかかる、第三者による評価・認定コストなどを助成する。
融資1件につき10万Sドル(約777万円)を上限に、MASがコストを負担。融資額が2,000万Sドル以上、融資期間が3年以上の案件を対象とする。
銀行向けには、グリーンローンやサステナビリティーローンの枠組みを作る際のコストをMASが負担する。中小企業向けの融資枠組みを作る際は、18万Sドルを上限に費用の9割を、それ以外の企業向けの枠組みを創出する場合は、12万Sドルを上限に費用の6割を負担する。
MASのラビ・メノン長官は「アジアで持続可能な社会を実現するためには、グリーンローンやサステナビリティーローンを通じた企業努力が欠かせない。GSLSは、環境金融のエコシステム(ビジネス生態系)を創出するための重要な取り組みだ」と語った。