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【インドネシア】急進派指導者が帰国、空港や交通に大混乱[社会](2020/11/11)

帰国したハビブ・リジック・シハブ氏(中央)を迎える大勢の支持者ら(アンタラ通信)

帰国したハビブ・リジック・シハブ氏(中央)を迎える大勢の支持者ら(アンタラ通信)

インドネシアのイスラム急進派「イスラム擁護戦線(FPI)」の指導者ハビブ・リジック・シハブ氏が10日朝、逃亡先のサウジアラビアから帰国した。到着した首都ジャカルタ郊外のスカルノ・ハッタ国際空港には支持者らが大挙して集まったため、空港へ向かう高速道路は早朝から大渋滞が発生。多くの旅行者が飛行機に乗り遅れるなど混乱が生じた。地元各メディアが同日伝えた。

シハブ氏はスカルノ・ハッタ空港第3ターミナルに到着、午前10時前に姿を現した。シハブ氏を出迎えるために、ジャカルタや地方から数千人の支持者が空港に押し寄せた。警察は大渋滞が発生した高速道路で、空港に向かう車に乗っていた搭乗客を集めて緊急車両に乗せて搬送するなどの対策を取った。

空港を運営する国営アンカサ・プラ2によると、ガルーダ・インドネシア航空など国際線・国内線合わせて合計118本のフライトに遅れが生じた。航空各社は乗り遅れた乗客に、返金や別便への変更を手数料無料で受け付けた。

支持者らは、中央ジャカルタのタナアバン地区にあるシハブ氏の自宅付近にも大勢集結した。このため近隣地域の公共バスは一部路線で迂回(うかい)運行やバス停の閉鎖を決めたほか、空港鉄道は空港発ジャカルタ行きを正午近くまで空港の一つ手前の駅までの限定運行を余儀なくされた。

シハブ氏は、2016年にジャカルタ特別州知事選に出馬したバスキ知事(当時)の発言に対し「イスラム教を冒瀆(ぼうとく)した」と攻撃活動を展開、バスキ氏の再選を阻んだ人物。17年に「ポルノ規制法」違反の容疑に問われ、サウジアラビアに逃亡した。警察当局は18年6月、証拠不十分として捜査を打ち切ると明らかにしていた。

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