【香港】フュージョンバンクが試験開業、騰訊傘下[金融](2020/10/05)
中国本土のIT大手、騰訊控股(テンセント)が主導して香港に設立したインターネット専業銀行、富融銀行(フュージョンバンク)が9月30日、試験開業した。富融は香港のネット専業銀では初めて外国為替業務を取り扱い、香港ドルのほか人民元、米ドルでの預金の受け入れや送金などのサービスを提供する。
試験開業期間中は口座開設を1,000人の特定顧客に限定し、3通貨での預金、定期預金サービスや送金、為替などの金融サービスを提供する。1HKドル(約13.6円)から口座開設が可能で、10月31日までのキャンペーン期間中は3カ月の香港ドル定期預金金利は年5%(預け入れ上限額10万HKドル)とする。
富融銀には騰訊のほか、香港取引所(HKEX)、本土の国有銀、中国工商銀行(ICBC)の香港法人である中国工商銀行(亜洲)などが出資。騰訊の頼智明副総裁が董事長に就任した。
岑志豪最高経営責任者(CEO)は、本土のほか、多くの海外企業と協力関係構築に向けた交渉を進めていると明らかにし、「世界各地の顧客により便利な金融サービスを提供していく」と業務拡大に自信を見せた。
香港ではすでに7行のネット専業銀が正式開業している。富融銀は正式開業で出遅れた格好だが、電子決済サービス「微信支付(ウィーチャットペイ)」との連動サービスなどを充実させるとみられ、先行勢に対抗する。