【香港】本土企業の香港上場今後も続く、取引所幹部[金融](2020/10/13)
香港取引所(HKEX)の陳翊庭(ボニー・チャン)上場部門主管は、中国本土企業による香港での新規株式公開(IPO)について「今のところ底をつく状況にはない」と述べ、今後も続く見通しを示した。12日付香港経済日報が伝えた。
香港では、近く香港と上海に同時上場が見込まれるアリババグループ傘下の金融会社バ蟻科技集団(浙江省杭州市、バ=むしへんに馬、アント・グループ)以降、IPOが下火になるのではないかとの見方があることへの発言。陳氏は新型コロナウイルスの流行が続く中、バイオ関連企業の重要性が高まり、起業の機会が増えていること、米国などの海外市場に上場する中国企業の「回帰上場」も続いていることを挙げ、こうした見方を打ち消した。
2018年の上場規則改正後、香港では多くの収益を出せていないバイオ企業が上場したほか、上場準備中の企業もあり、このうち数社は新型コロナ向けワクチンの開発に携わっていると説明。専門のバンカーや弁護士、アナリストも香港に拠点を構え出していると評価した。
陳氏は、香港取引所の取り組みについても説明し、「年内に複数の改革の方向性を固める方針だ」と強調。議決権の異なる種類株式を持つ上場企業の株を企業が保有できるようにするルール改正や、上場手続きのペーパーレス化、公開価格決定から上場までの期間短縮などを発表するとの見通しを示した。