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【ベトナム】ジェトロ、ダナン市とICTセミナー開催[IT](2020/10/01)

日本貿易振興機構(ジェトロ)ハノイ事務所は9月30日、ベトナム情報通信省と中部ダナン市人民委員会情報通信局と共同で「ベトナムICT産業最新動向セミナー」を開催した。ベトナムのハノイとダナン、東京の3拠点をつなぎオンライン会議形式で実施。日本やベトナム国内の日本企業から約200人が参加した。

ジェトロ・ハノイ事務所がダナン市などと共同でICT産業に関するオンラインセミナーを開催した。写真はハノイ会場の様子=9月30日

ジェトロ・ハノイ事務所がダナン市などと共同でICT産業に関するオンラインセミナーを開催した。写真はハノイ会場の様子=9月30日

セミナーでは、各機関の代表者がダナンへの進出やベトナム企業との協業に関心のある日本企業に向けて、ダナンの投資環境や情報通信技術(ICT)開発の現状、日本企業のビジネスチャンスなどに関するプレゼンテーションを実施。ファム・アイン・トゥアン情報通信次官やブー・ホン・ナム駐日ベトナム大使、ダナン市人民委員会のチャン・バン・ミエン副委員長、在ベトナム日本大使館の岡部大介公使らも出席した。

トゥアン氏は冒頭のあいさつで、ベトナムにおける第5世代(5G)移動通信システムの商業化への迅速な対応やICT企業への優遇措置、6月に首相承認された「国家デジタルトランスフォーメーション(DX)プログラム」などの推進を挙げて「日本からの投資の受け皿はできている」などと話した。

■ダナン市のIT産業の成長が加速

ダナン市通信情報局のレ・ソン・フォン副局長は、同市が進めている電子政府化やスマートシティー構築の取り組みを報告。IT都市として企業集約などを進めてきた結果、サブ産業を含めIT企業は7,000社に上り、市の企業数の2割を占める。IT企業で働く3万6,000人のうち2万人がソフトウエアやデジタルコンテンツ開発に従事する。高度人材が豊富な一方、平均月給は1,780万ドン(766米ドル、約8万円)とホーチミン市やハノイと比較し安価なことを魅力の一つに挙げた。

また、2015~19年のIT産業の成長率は年9%で、域内総生産(GRDP)の伸び(年7.3%)を上回った。ほか、ソフトウエア輸出の伸びは年平均25%と高く、日本(全体の36%)と米国(同)が最大の輸出市場となっている。昨年4月開業のダナンITパークや今月開業予定のソフトウエアパーク第2ビルなど、IT企業向けのインフラ整備が整っていることをアピールした。

ダナン市投資促進委員会によれば、同市への海外直接投資(FDI)は、日本からが最大で、件数ベースで27%がIT産業となっている。このほか、ダナン市側からはITおよびハイテク産業向けに、法人税や賃料、インフラ使用料、輸出入関税の減免など各種の優遇措置が説明された。

■日本からの投資誘致に注力

ジェトロ・ハノイ事務所の中島丈雄所長は、9月に実施した日本企業とグエン・スアン・フック首相との対話について触れ、IT・電子分野を含むサプライチェーン(調達・供給網)の多元化などにおいて「ベトナムが日本からの投資に期待している」と述べた。また、1~9月の国内総生産(GDP)が2.12%とコロナ禍もプラス成長を維持し、ベトナム経済の見通しが明るいことや、同国進出の日本企業が、IT化や自動・省人化を加速させている動向を伝えた。

このほか、ダナン日本商工会議所(JCCID)の小野瀬貴久会頭、ダナン市に拠点を持つ日系IT企業モンスター・ラボ・ベトナムの松永正彦社長が当地の事業環境を説明。日本語IT人材の輩出の要望や日本との往来活性化への期待を示した。

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