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【マレーシア】NEC現法、官公庁向け大型案件に意欲[IT](2020/09/30)

NECのマレーシア現地法人、NECコーポレーション・オブ・マレーシア(NECマレーシア)は、同国政府向けの大型案件獲得に意欲を示している。出入国システムや国民ID(身分証明書)システムへの、生体認証技術の採用を目指す。

NECマレーシアの新拠点をお披露目したチョン・カイオーイ社長(左)とムスタパ首相府相(中央)、岡浩駐マレーシア日本大使(右)=29日、クアラルンプール(NNA撮影)

NECマレーシアの新拠点をお披露目したチョン・カイオーイ社長(左)とムスタパ首相府相(中央)、岡浩駐マレーシア日本大使(右)=29日、クアラルンプール(NNA撮影)

NECマレーシアの鈴木秀治副社長によると、マレーシア市場でこれまで存在感を示してきた通信業界向けのネットワークシステム構築に加え、今後は官公庁向けの大型案件獲得も目指していく。

切り口となるのは、同社が強みとする顔認証などの生体認証技術だ。成田空港など日本での導入実績をもとに、マレーシアでも空港での出入国システムへの生体認証技術の納入を狙う。

NECは現在、途上国へのワクチン普及を進める国際組織「Gavi(ガビ)ワクチンアライアンス」などとともに、乳幼児の指紋認証の実用化に取り組んでいる。生後間もない乳児の指紋でも認証可能な技術を開発しており、早期に生体情報を採取・認証することで本人確認を確実にし、ワクチン接種履歴の追跡や、人身売買防止に役立てる。鈴木副社長によると、マレーシア政府は乳幼児の指紋認証導入に関心を示しており、国民IDシステムでの将来的な採用を期待している。

民間向けでは、マレーシアでこれまで取り組んできたコンビニエンスストアや給油所といった小売店向けの販売時点情報管理(POS)システムや、製造業向けのIoT(モノのインターネット)センサーといった分野のほか、新たな注力分野として医療システムの展開も目指している。その一環として、ビッグデータや人工知能(AI)を脳卒中患者のリハビリ用途に活用するシステムを開発しているという。

■KL拠点を拡張移転

NECマレーシアは29日、クアラルンプール(KL)市内の増床・移転した新オフィスを公開した。

新オフィスは、商業施設「ザ・ガーデンズ」のオフィス南棟に入居。複数拠点を集約し、顧客向けに同社の製品技術を展示するスペースも設けたため、2フロア合計で3万平方フィート(約2,787平方メートル)に拡張した。

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