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【ベトナム】武蔵塗料が中国・ベトナム新工場、来年稼働[化学](2020/09/14)

武蔵塗料ホールディングス(東京都豊島区)は、中国・重慶市とベトナム北部バクニン省で、2021年1月にそれぞれ新工場を稼働する予定だ。中国では強まる環境規制に対応。ベトナムは生産分散に向けた「チャイナプラスワン」で、製造業の発展が著しく拡大する北部の需要取り込みを図る。

中国ではこのほど、関西ペイントの関係会社だった重慶阿麗斯科関西塗料の株式を100%買収し、社名を「重慶武蔵塗料」に変更した。新体制で工場を来年1月に稼働させる。工場の敷地面積は約6万平方メートル、年産能力は1万トン。武蔵塗料グループが中国に新工場を設けるのは、04年以来16年ぶりとなる。

武蔵塗料が新たに確保した中国の工場(同社提供)

武蔵塗料が新たに確保した中国の工場(同社提供)

中国では環境規制が厳格化されてきており、同国内の既存工場では大気汚染抑制に向けて生産停止命令を受けるリスクがある。新工場は国家級の化学工業園区内にあり、生産停止リスクを避けるバックアップ拠点となる。溶剤成分の揮発性有機化合物(VOC)を抑えた環境配慮型製品の生産拡大に向けた中心拠点としての役割も担わせる。

新工場には、水性塗料を含む樹脂用塗料の半製品生産を集約する。これまで既存工場が個別に生産してきたが、新工場から半製品を供給する体制に切り替える。重慶市は中国の中でも工業が盛んで、自動車産業が集積している。スマートフォンなど携帯端末、プリンターといった製品メーカーへの供給体制も強化する。

■越北部「ここ2~3年で需要拡大」

ベトナムでは、現地法人「ベトナム武蔵」の支店として、21年1月にバクニン省の新工場を稼働する予定だ。新工場設置への投資額は約4億円。南部ドンナイ省に次ぐ、同国2カ所目の生産拠点となる。顧客の中国からの生産移管などで高まる北部のニーズへの対応力強化を図る。

新工場の敷地面積は約1万5,000平方メートル、年産能力は最大1,700トン。北部に拠点を構えることで◇中国の環境規制強化で高まるチャイナプラスワンへの対応◇北部サービス体制の強化◇日系企業以外の顧客取り込み――を狙う。

これまでは南部工場から北部にも製品を供給してきたが、「ここ2~3年で北部需要が特に伸びた」(ベトナム武蔵の担当者)。ベトナム武蔵は09年設立で、11年に工場の操業を開始した。生産量は、過去5年間で2.5倍となった。

武蔵塗料グループはプラスチック塗料に特化し、自動車や携帯電話、家電、パソコン業界などに製品を供給。世界10カ国に拠点を置く。

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