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【マレーシア】サラワク電力、水素製造で国営石油と提携[化学](2020/11/17)

マレーシア・サラワク州は、再生可能エネルギー由来の「グリーン水素」の製造でアジアのハブを目指している。州政府系の電力会社サラワク・エナジー(SEB)がこのほど、商業生産とアジアへの供給に向け、国営石油ペトロナスと提携。別の州営企業も、同事業で日本企業との協業を検討している。

SEBは10日、大型のグリーン水素製造施設の設置と輸出に向けた技術的、商業的評価を共同で実施することで、ペトロナスと覚書を締結。水素の製造でSEBが運営する水力発電所を活用することなどを検討する。

16日付スターによると、SEBは現在、バクン・ダム(発電容量2,400メガワット=MW)とムルム・ダム(944MW)の2カ所の大型水力発電所を保有・運営。建設中のバレ・ダム(1,285MW)が2026年に完工する予定だ。昨年5月には、ドイツ系工業ガスのリンデEOXと共同で、東南アジア初の水素燃料工場と水素ステーションの併設施設の操業をクチンで始めていた。

サラワク州のアバン・ジョハリ州首相は、「水素が将来的に持続可能エネルギーの中で重要な役割を担うことは間違いないが、現在は生産コストが高すぎる」と指摘。コストが下がれば、ほかの燃料と競争が可能になると述べ、サラワクの資源に付加価値を持たせ輸出することに期待を示した。

同州ではこのほか、サラワク経済開発公社(SEDC)が先月、石油元売り大手のENEOS(エネオス、東京都千代田区)、住友商事と、二酸化炭素を発生させずに水素を数万トン規模で製造する事業について、協業検討に関する覚書を締結していた。同事業もサラワク州の水力発電所を活用する方針だ。

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