【マレーシア】感染数での入国禁止、欧米商工会が再考要請[経済](2020/09/07)
在マレーシアの欧米商工会議所は、マレーシア政府がきょう7日から新型コロナウイルスの累計感染者数が15万人を超える欧米各国を含む12カ国からの入国を禁止することを受け、同政策を見直すよう求めている。駐在員や専門家が入国禁止の対象に含まれ、欧米系現地企業の操業に影響が出るためだ。
5日付スターによると、欧州連合(EU)マレーシア商工会議所(EUMCCI)は、マレーシア政府が新型コロナの輸入症例を減らしたいことは理解できるが、コロナ禍からの経済回復や将来的な貿易や投資案件への影響も勘案すべきだと主張。政府が、新型コロナの感染者数によって入国を禁じる政策を見直し、ビジネスのための往来を優先した、対象を絞った国境管理に変更することを望むとの姿勢を示した。マレーシア政府との対話の場を設けたい意向だ。
在マレーシア米国商工会議所(AMCHAM)は、雇用パス(EP)を持つ駐在員や、機械設置など短期就労のためのプロフェッショナル・ビジット・パス(PVP)保持者の入国が禁じられれば、会員企業の操業に深刻な打撃を与えるとみる。「(米国からの)入国禁止によって、現地事業や貿易に数百万米ドル規模の損失が出る」とした上で、措置がいつ解かれるのかも不明で影響が長期化するとの懸念を表明した。
一方、在マレーシア英国高等弁務官事務所(大使館に相当)の報道官は、長期的な二国間通商関係に影響は出ないものの、約9,000人の英国人のマレーシア在住者の一部には、海外から再入国できない、マレーシアから短期間の出国ができないといった支障が出ると指摘。累計感染者数を見るのではなく、現在の感染者数が減少すれば禁止措置が解除されることを望むと語った。
マレーシアのイスマイル・サブリ・ヤアコブ上級相(治安担当)兼国防相は先に、新型コロナの累計感染者数が15万人を超える、▽インド▽インドネシア▽フィリピン▽米国▽ブラジル▽フランス▽英国▽スペイン▽イタリア▽サウジアラビア▽ロシア▽バングラデシュ――からの長期滞在者の入国を、今月7日から禁止すると発表。感染者が15万人を超える国を高リスク国とみなし、入国を禁止する国を追加で指定していく方針を示していた。