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【香港】バイオ企業の調達額で世界一に、取引所CEO[金融](2020/09/03)

香港取引所(HKEX)の李小加(チャールズ・リー)最高経営責任者(CEO)は、5年から10年で香港が米国を超える世界最大のバイオテクノロジー企業の資金調達市場になり得るとの見通しを示した。科学技術が世界的に発展を遂げる中、世界一の人口を抱える中国の特性などが有利に働くと見ているためだ。

同取引所が1日にオンラインで開催したバイオ産業のシンポジウムで語った。

李氏は、売り上げのないバイオ企業の上場に道を開く上場規則の改正を打ち出した当初を振り返りつつ、「科学者と投資家を結びつけ、市場を形成する作業は容易なことではない」と強調。当初は周囲に否定的な見方はあったものの、「最終的に市場の判断に委ねたことが今日の実績につながった」と語った。

2日付信報によると、香港取引所でこれまでに新規株式公開(IPO)を実施したバイオ企業は20社で、累計の資金調達額は約480億HKドル(約6,600億円)と、世界2位の水準。首位の米国は上場企業数は16社だが、資金調達額では約880億HKドルと、2倍近い開きがある。

李氏は香港の背後にある中国は、バイオ関連技術の発展が目覚ましく、高齢化や医療コスト上昇といった問題に対して、バイオ企業を通じて解決方法を探る必要が出ていると指摘。中国企業に加え、イスラエルや英国、他の欧州諸国などのバイオ企業を呼び込む計画もあるといい、世界一奪取に意欲を見せた。

香港市場では、バイオ関連株に対する関心がいっそう強まっている。19年3月に香港初のバイオ銘柄として上場した康希諾生物(カンシノ・バイオロジクス、天津市)の株価は2日の終値が156.0HKドルと、上場初日の34.7HKドルから4.5倍の水準だ。同社が手掛ける新型コロナウイルス用ワクチンは臨床試験が最終段階にあるとされ、早期実用化に対する投資家の期待が株価を押し上げている。

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